働きやすい職場環境の整備、得意先別商品別の収益管理を―2018年ヤヨイサンフーズ方針

〈ヤヨイサンフーズ社長・黒本聡氏〉
4~11月売上高は前期比5%増256億9,200万円。一昨年コンビニルートで売上減があったが順調に販売回復している。12月も順調。利益面は農産・畜産原料価格の上昇はあるが、高単価のものが売上げを伸ばし、全社で経費増を抑えたことから、4~11月の営業利益は7億円と予算通り。今期の着地は、売上高は390億円、営業利益11億円とほぼ目標を達成する見込み。18年度計画は、売上高400億円、営業利益12億円、営業利益率3%目標。

統合は100%成ったと思う。技術交流が進み、長岡工場の品管レベルが上がった。生産に関する考え方も一致し、プラットフォーム化が進んだ。人事制度、給与体系も統一した。17年度は5つの経営方針に取り組んでいる。目標達成に向け全力を挙げ、数字にこだわり18年度につなげる。

①安全安心で働きやすい職場環境の整備。
ハード面では昨年来の工場の空調設備の更新など働きやすい環境を構築。今後も継続的に取り組む。工場の環境を整えることが人の採用と持続的に働いてもらうことに繋がる。ソフト面では昨年に続き支店、工場など全国を回り、社員との対話する社長懇談会を実施、昨年は52回、今年は課長クラスの管理職との懇談を含め74回実施、10人位と2時間程度話し合った。昨年に比べ社員の改善意識が強まり、この活動を通じて波及効果が出てきた。各種意見はフィードバックし改善に役立てる。

②収益重視に向けた仕組み作り。
営業で従来把握できなかった得意先別商品別の収益管理システムを構築し導入、個別、個人別の管理ができるようになった。まだ使い切れていない部分もあるが、これを活用することにより社員の収益に関する意識、採算意識を高めることができる。また、原材料仕入れ先の集約も行った。商品アイテムの見直し、コスト削減や作業ミスの低減を図った。1ラインで1日に数回の製造品の切り替えもある。その都度の洗浄などもあり残業増の一因だ。それをいかに減らすか取り組んでいる。

③生産拠点の検討。
自社工場の生産能力は上限に近付いている。OEM 買い付けに頼り売上げを伸ばしている状態だ。我々は自社で作り、自社で売り、利益を出す会社である。この点はマルハニチロも理解し、9月には既存工場にライン増設が必要との提案を認めてもらった。さらに具体的な生産工場の選定の最終決断はグループ全体の生産を視野に、検討する。17年度中には正式方針が出せると思う。

〈海外戦略、北米の業務用市場に向けた足掛かりを=黒本社長〉
④新しいビジネスモデルの検討。
海外戦略は市場調査等を終了し、北米の業務用市場に向けて足掛かりを築く。パートナーを選定し、17年度内の3月までに商品試作を目指す。試作品を可能性のあるユーザーに試してもらい、リサーチを進める。

⑤CSR活動。
10月18日~22日、カンボジアのコンポンチャム州にあるコンターナン小学校で「第1回カンボジア ヤヨイ学校支援活動」を実施、社長と公募された社員9人、事務局の計11人が参加。08年2月に旧ヤヨイ食品創業60周年特別記念事業として校舎を寄贈したが、東日本大震災により支援活動が遅れていた。改めてヤヨイ学校への支援活動を強化する。また、11月16日には茨城・鉾田市の小学校で、「第52回KIDS-シェフ」を開催した。6年生20人が出席、食育活動の一環。

17年度の主な設備投資は、九州工場では「ソフリ」ラインを増設。「ソフリ」は連続70ヵ月、前年同月を上回り好調。今回1.5倍の増産が可能になったが、2年程度の対応になりそうだ。清水工場ではドリアラインを10月に増設。パスタラインをマルハニチロ九州に移設し、パスタはヤヨイサンフーズが販売する。

ドリアラインは大手コンビニ向け。18年度は量販店惣菜に販売拡大する。長岡工場の餃子包装ラインの一部自動化、九州第2工場にパレタイズロボットを導入する。

〈食品産業新聞2017年12月28日付より〉