2018年日台冷凍農産品懇談会に日台双方から142人が参集、日台の更なる協力体制を呼びかける
同会合は今回で27回目となる。日台の冷凍農産物の生産と貿易に携わる関係者が一堂に会し、台湾凍菜の安定供給と品質向上、円滑な貿易体制の確立を目指した意見交換を目的としている。台湾側からは台北駐日経済文化代表処(大使館)経済部の周立部長、台湾行政院農業委員会から国際処の洪忠修処長ら台湾政府関係者も参加した。
台湾側から台湾公会の蔡理事が次のように述べた。「17年の台湾産枝豆の輸出量は3万2,000tに達し、16年より1,000t程度上回った。日本への輸出量も競争相手の中国、タイに大幅にリードして台湾産が連続1位となった。地球温暖化の影響により原料供給面の不安定要素はある。枝豆という商品を活かして日台業界の架け橋になり今後一層より手を組んで、消費者の満足のために頑張りたい」日本側から凍菜協の川﨑会長は次のように述べた。
「16年に台湾冷凍野菜の輸入通関違反は枝豆で2件の大腸菌群違反があった。17年はタロイモで2件違反(大腸菌、細菌数)があったが枝豆はなかった。農薬違反が発生していないのは参集の皆様の努力のお陰だ。今後の課題として衛生管理の強化を凍菜協で検討したいと考えている」「17年の冷凍野菜の輸入量は初めて100万tを突破した。異常気象等の影響で野菜の価格高騰を受けて割安感があったこと、下処理がしてあることによる簡便性も評価された。品質の良さも理解していただけたと思う」「日本では15年振りに食品衛生法の見直しが通常国会で検討される方向で動いている。中でも容器包装ポジティブリスト制度など台湾からの製品にも影響がある案件も検討される。凍菜協では必要な情報を収集し、皆様と共有化するとともに適切な対応をしていく。平昌での冬季オリンピック・パラリンピックの次は20年の東京オリンピック、パラリンピックだ。様々な環境変化を良い機会と捉え、冷凍野菜の更なる販売拡大、信頼構築に繋げていきたい」。
日台双方から講師を招いた講演会も実施。日本側からは、厚生労働省医薬・生活衛生局食品基準審査課の丹羽紘子基準策定専門官が、「食品容器具及び容器包装のポジティブリスト制度導入に向けた検討状況について」と題して講演。本国会で審議予定の食品衛生法改正案に係る検討会での協議内容について報告があった。凍菜協の川﨑順司会長からも台湾側の関係者へ適宜情報共有を行うとコメントがあった。
台湾側からは、来賓でもある台湾行政院農業委員会国際処の洪処長が、「台湾政府による農産物のeコマース支援」と題して講演。畜産・漁業に比べて遅れている、農業のeコマース支援策などについて説明した。
〈冷食日報 2018年3月12日付より〉