ミニストップ、冷凍弁当を実験展開 保存料ゼロで女性客開拓
「コンビニエンスストア(CVS)の中食は、どうしても添加物を使っているイメージがあり、女性の手が出なかった。保存料ゼロをアピールしていく。成長分野の中食は設備投資の競争で大手にはかなわない。同質化ではなく競争軸を変える」(藤本明裕社長)という。
ミニストップ・藤本明裕社長
〈「から揚げ&炒飯」「ガパオライス」「トマトチーズチキン&ピラフ」など展開〉
冷凍弁当「ピタッと冷凍」は中身がダイレクトに見える特徴のあるパッケージで、税込498円。「から揚げ&炒飯」「鶏つくね&黒米ご飯」「ガパオライス」「トマトチーズチキン&ピラフ」「ハンバーグ&ピラフ」「チーズハンバーグ&バターライス」など8品目程度をラインアップする計画。製造はイオングループのイオンフードサプライに委託する。イオンのPB(プライベートブランド)「トップバリュ」にも冷凍弁当はあるが、「スーパーとCVSでは、冷凍食品に対するニーズも異なる」(中山博之執行役員商品本部長)ため、独自商品の開発に至った。
CVSの冷凍食品コーナーは壁面のリーチイン型多段ケースが一般的だが、「多段だとなかなか買ってもらえない」(藤本社長)ため、ゴンドラ(商品棚)5本を外し、平オープンケースを導入して、冷凍弁当をはじめとした冷凍中食のコーナーを設ける。
弁当のほかはバゲットロールハムチーズ、グラハムロールベーコン&チーズ(各278円)、プレーンベーグル(151円)、ふくらむ魔法のバターボール(290円)などの冷凍パン、キャラメルチョコロール(258円)などの冷凍スイーツも一緒に並べる。
ゴンドラ5本分以上の売り上げが見込めれば、今年度下期から来期にかけて導入店舗を拡大する。「(高齢化や人口減少などで)今後CVSの来店頻度は伸び悩む。フローズンで買い置き需要を開拓し、買い上げ点数を上げていきたい」(中山商品本部長)としている。
〈食品産業新聞 2018年3月22日付より〉
【関連記事】
・ローソン 生鮮品をスマホで注文、店で受け取るサービス「ロピック」展開
・コミュニティ・ストア、無人店舗を本格展開へ 決済は交通系電子マネー限定
・セブンプレミアム「魚惣菜」年間5000万食、”手軽さとおいしさ”で魚消費拡大
・セブン‐イレブン 2万店達成を記念し限定商品、「安全・安心・健康」前面に
・コーヒーの消費量 6年ぶりに減少も”拡大傾向”継続 「セブンカフェ」など家庭外需要好調
・中小コンビニ、「大手にできない」施策で存在感 熱狂的ファンを開拓へ