ヤマザキ・吉田住吉工場竣工「新しいことにチャレンジ」=山崎朝彦社長

ヤマザキ・山崎朝彦社長
惣菜メーカーのヤマザキ(静岡県吉田町)は24日、新工場・吉田住吉工場を竣工した。

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竣工披露宴に際し、山崎朝彦社長があいさつし、要旨次のように述べた。

山崎社長=30年前にグループ会社として大手CVS 向けのデイリーメーカーとしてユニデリ社が立ち上げられた。私が小学生のころ、仕事を手伝うとその工場に「インピンジャー」という連続式オーブンがあり、イカを焼いたり、おせち料理の海老を焼いたりしていた。後で聞いた話では、そのインピンジャーは、面白い機械があるということで用途をきちんと決めないまま買ってしまったということだった。それをなんとか使おうと、耐熱樹脂の容器を使い、ホワイトソースを入れてチーズをかけて、グラタンを作るようになった。

その後、私が高校生のころ、ユニデリを手伝っているとグラタンが凄く売れていた。そのころはホワイトソースを充填する機械、ドリアを半自動で作るラインができていて、最初は何気なく始めた仕事が、こうして大きくなっていくものなのかと感じていた。

そして1995年、グループのユニフーズ社が立ち上げられ、96年に今も稼働している吉田工場が作られた。ここでの工程は、連続ラインでホワイトソースをホット充填し、上にナチュラルチーズを載せ、焼成したらすぐにフリーザーで冷やすという、当時としては画期的なもので、日持ちを可能とし、広いエリアへ商品を供給できるようになった。私たちも日本一のグラタンを作ろうと開発と改良を繰り返し、大手CVSの側でも欠かせない商品へと育てていただいた。

そして、今回の新工場を立ち上げるに至った。もし30年前にインピンジャーを使ってグラタンを作ろうという発想がなければ、この工場もなかった。当たる仕事、当たらない仕事はさまざまにあるが、新しい種を見つけたらどんどんチャレンジしなければ、事業が人の役に立つものにはならないのではないかと思う。新工場は過熱蒸気を使った調理器具があったりと、我々がまだ手を付けてこなかった技術を備えている。そうした“種”は豊富にあるので、できたからには新しいことにどんどんチャレンジして、事業が発展するよう取り組んで行きたい。

ヤマザキ吉田住吉工場

【新工場概要】
▽工場名:株式会社ヤマザキ吉田住吉工場/野菜加工センター/株式会社ユニフーズ本社工場
▽所在地:静岡県榛原郡吉田町住吉5437-66
▽生産品目:惣菜、グラタン、野菜処理加工
▽工場規模:敷地面積10,925平方m、延べ床面積12,868平方m、地上2階建

〈冷食日報 2018年8月31日付より〉