日清フーズ 19年春の新製品数は前年の2倍、木村文乃さんがアンバサダーに
日清フーズは19年春の新製品として全54品を発表した。消費増税を控え、業界全体として新製品の発売が少ない傾向にあるなか、同社として前年の2倍にあたる品数をそろえた。春の提案に力を傾注する構えだ。5日開催した19年春の家庭用新商品発表会には、グループ統一広告のイメージキャラクターに起用された女優の木村文乃さんも登場した。
当季は常温品が新製品34品、リニューアル2品、冷凍食品が新製品11品、リニューアル7品。全54品中、新製品が45品と多い。「簡単・便利」「本格」「健康」をテーマに付加価値製品をそろえた。年間売上げは常温品24億円、冷食28億円を見込む。
開発の注力点として次の3点を挙げる。
〈1〉パスタ市場への新提案=「マ・マー パレット」シリーズの新発売。パレットは1食分のパスタとパスタソースを各4品種そろえ、自由に組み合わせて楽しめるのが特徴。片手鍋で茹でられ、ソースは温めずにパスタと和えるだけの簡便性を備える。開発の背景には、日欧EPAによりパスタの関税がゼロになることから「自由化に向けて日本のマーケットをけん引したい思いがある」(岩橋恭彦常務加工食品事業部長)。
〈2〉冷凍食品における新ジャンルへの展開=「スマートテーブル」冷凍洋風惣菜の新発売。「パスタ以外の分野に大きく踏み出したい」(同氏)として、今春は第1弾と位置付ける。
〈3〉健康系製品の更なる拡充=秋発売に向け機能性表示食品の準備も進め、常温・冷食ともに機能性表示食品を発売する。冷食では「もち麦リゾット」が機能性表示食品となる予定だ。
小池祐司社長のコメントは次のとおり。
日清フーズ 小池祐司社長
小池社長=加工食品事業におけるテーマは価値の創造と海外への進攻。海外戦略の一環として今年12月にベトナム日清テクノテックを本格稼働させたい。高付加価値製品の開発強化では、簡便、本格に加えて健康をキーワードに開発を進めている。クッキングボトルシリーズや早ゆでスパゲティなどの付加価値製品が引き続き出荷をけん引している。糖質オフのホットケーキや減塩から揚げ粉など健康系製品の上市を行っており、この秋には機能性表示食品など、もう一段、健康系に踏み込む。
「青の洞窟」では昨年12月に実施したイルミネーションイベントがSNSやCMで情報発信した効果もあり、282万人もの来場があった。都内のイルミネーションイベントの中でも屈指の動員数と聞く。ブランド強化を大きく前進できたと考えている。
冷凍食品では青の洞窟に生パスタを発売し、市場拡大に貢献した。健康系食材として人気食材のもち麦を使用したリゾットで新たな価値を創造した。今春も高付加価値製品の開発を引き続き強化していく。
今秋には消費増税を控えており、軽減税率が適用される食品にも買い控えが起こる可能性がある。このような環境にかんがみ、この春はトップメーカーとして消費者の期待を超える製品で流通各社の売り上げに貢献できるように、昨年の2倍にあたる54品の新製品をそろえた。新製品が少なくなっている業界にあって、非常に力を入れているととらえてもらいたい。これまでにない新しいパスタや簡便性を極めたレンジパスタソース、健康系製品、冷凍洋風惣菜――など多岐にわたる製品を発売する。高付加価値製品の拡充にあたり、大きく2つの広告宣伝施策を実施する。
一つは青の洞窟ブランドの育成に大きく貢献したデジタルマーケティングを先鋭化する。既存の広告宣伝と有機的に連結することで、効果的な宣伝活動を展開する。デジマの骨格といえるコアファンの獲得を一気に進めたい。
もう一つは日清製粉グループ全体の販促の一本化を推進する。「ハッピーメニューProject」と題し、新しいコミュニケーションメッセージとして「HAPPY MENU TO YOU!」の広告を展開する。女優の木村文乃さんをアンバサダーとして、日清フーズのCMでも活躍してもらう。
〈冷食日報 2019年2月8日付〉