イオンリテール、ヘルス&ウェルネスなど3本の柱で冷食を提案 店頭施策も
価格戦略の主な取り組みは「トップバリュベストプライス」というシリーズの投入だ。NB商品よりも価格を下げつつも、品質面では対等に渡り合えるような商品群で、販売は「順調に推移している」(商品企画本部、宇治知英デイリーフーズ商品部長)という。価格設定も店舗ごとに決めることができる。
「ヘルス&ウェルネス」では、他社にはまだ少ない健康に配慮した商品で支持獲得を図る。「グリーンアイ」シリーズから発売している冷凍の有機野菜は有機JAS 認証などを取得したものもあり、安心や安全面の訴求にもつながっている。割高感を抑えて手に取りやすいようにすることで、販売は堅調に推移している。糖質を抑えた商品を7品目投入しているほか、昨年11月には「お米のかわりに食べる カリフラワー」を発売。店頭で品薄状態になるなど好調に推移している。同商品は商品の供給体制が今後整う見込み。将来的には売り場で冷凍野菜コーナー以外に米飯コーナーでの展開や、同商品を使ったメニューの提案なども検討する。
「他社にない商品の販売」は、世界各地の味を楽しめることをコンセプトにした「ワールドダイニング」などの商品群で訴求する。同社は「イオンワールドフェスタ」という取り組みを行っており、それに合わせて商品を投入している。韓国フェアを実施した際には、チーズタッカルビを投入するなどしている。味は現地の味を極力再現しており、人気は高まっている。販促では、イオングループの別会社にいる試食販売を専属で行うスタッフから商品の訴求を強める。PB は宣伝費などの経費を削減することで価格を抑えているが、この取り組みで、コストを抑えつつも商品の良さを提案する。
また、「まいにち夜市」という施策からも、冷凍食品を提案する。同社によると、店頭で冷凍食品が売れるのは「主婦や働く人が買い物をするピークの時間から1時間ずれた6時頃から」というデータがある。1時間のずれで米飯やパスタなど即食商品の販売が伸びているという。こうした需要を取り込むべく、スマホアプリでクーポンを発行して利用を促す。
〈冷食日報 2019年2月15日付〉