〈冷食流通インタビュー・小売〉ローソン 一部冷食でも健康面に配慮、売り場拡大で視認性向上も

〈ローソン 商品本部 デリカ・FF商品部 シニアマーチャンダイザー 山崎敦史氏〉
――貴社の販売状況は

2018年度上期(3~8月)は前年同期比25%増となった。下期(9~2月)は2017年の販売状況が順調にした影響で上期ほどの伸びはないものの、昨年を上回る実績となりそうだ。売り場ではリーチインの棚を1本から3本に増やすなどし、商品数もPB のみで50SKUから80SKUにまで拡充し、着実に売り上げへとつながっている。最も売れている商品は108円(税込)のチャーハンで、米飯類や麺類、おつまみ系なども堅調に推移している。果物類はスタンディングパックの販売をナチュラルローソンで実験的に開始した。これまで4、5品程度しか商品を置けなかったが、以前よりも横幅を狭めることで6品を展開できるようにし、売り上げを伸ばしている。

――現在商品面で注力していることは

メインは即食性の高い商品だが、それだけでは限界も来るかもしれない。今は一部店舗で買い置き需要に対応した商品も実験的に取り扱っている。スーパーなど他の競合がいない地域では、買い物に行く負担も大きいため、弁当のおかずとしてのコロッケやハンバーグ、冷凍の肉なども需要があるのではと考えている。現在はナショナルブランド(NB)品で検証を進めている。また、ナチュラルローソンブランドの商品で、野菜を多くした商品や、減塩など健康面に配慮した商品も一部展開している。
 
――売り場では

当社の場合、基本の棚割りは99%プライベートブランド(PB)商品でそろえている。NB 商品の扱いなどは、あまり推奨はしていない。NB 品はスーパーと競合するため、価格面で競争が難しい。PBは独自の価値を打ち出しやすく提案がしやすいため、売り場を拡充してアピールを強めつつある。展開する品ぞろえを多くすることで、来店者からの視認性も高まり、より購買につながるのでは。また、冷凍食品の扱いを増やすことは廃棄ロス削減にもなるため、販売店にとってもメリットは大きいと思う。
 
――現在検討している取り組みは

即食性をより高めていきたいと考えている。売り場を徐々に広げており、将来的には現在の弁当類がある場所の近くで商品展開ができればと個人的には思う。売り場での一体感も演出しやすいと感じる。また、包装を変えた商品の展開も目指したい。個食や簡便性を高めており、今後はよりすぐに食べられる容器なども必要になるのでは。他にも、無化調や無添加の商品にも挑戦してみたい。当社は「マチの健康ステーション」というスローガンを掲げており、難しい取り組みとは思うが冷凍食品ならばチルドの商品よりはハードルが低いと感じる。体に優しい商品を展開できればと考えている。情報発信も、冷凍食品は当社のSNSをまだ上手くできていないが、うまく活用できればと思う。

(インタビューは2月12日に実施)

〈冷食日報 2019年2月28日付〉