極洋「だんどり上手」初のやわらか食・ムース食、「サーモンクリーム煮」など/19年春の新商品
極洋は27日、2019年春の新商品を発表した。業務用では「だんどり上手」シリーズからやわらか食・ムース食を初めて投入する。量販店水産・惣菜売場や病院・福祉施設給食向けには自然解凍の揚げ物を充実させた。市販用では家庭用冷食で食卓向け「えびカツ」、フローズンチルドで「シーマルシェ」ブランドからサラダフィッシュを新展開する。
当季新商品は市販用が23品、業務用が38品の合計61品。チャネル別では水産売場11品、惣菜売場8品、外食12品、病院・福祉給食11品、家庭用冷食売場13品、常温食品売場6品――。年間売り上げ目標は市販用34億円、業務用26億円の合計60億円。
開発のメーンコンセプトは「変化する食のマーケットに、わたしたちができること」。平均寿命の延伸、シニア人材活用、女性の社会進出が進む中、食の健康志向、簡便性志向が高まっていること、一方で就業者数の増加に対して、量販店や飲食店、産業給食などの調理場では人手不足が課題となっており、調理の簡便化、時短ニーズがますます強まってることから、サブコンセプトとして〈1〉健康価値〈2〉時間価値〈3〉美味しさ価値――の3点を掲げた。
健康価値の観点から、業務用冷食で「かるしお銀鮭フィーレ」(8kg)を新発売。国立循環器病研究センターの「かるしお認定」を受けた商品。食塩カットしながら、昆布エキスを使用することでサケのおいしさを引き出している。介護食分野にも踏み込む。「だんどり上手 やわらかさば味噌煮」「同マンダイ煮付け」「同 サーモンクリーム煮」(各100g真空×10パック×5×2)は素材のおいしさはそのままに、切身の形を残しながら口中で容易につぶせるやわらかさが特徴。たれはとろみを持たせて飲み込みやすくし、食物繊維も配合した。生産工場は極洋食品ひたちなか工場(茨城)。
「だんどり上手 さば味噌煮ムース」「同 スケソウダラ煮付けムース」「同 さけほぐしムース」(250g×2本×20)は安全面から、離水しない仕上がりにこだわった。おいしさとともに食物繊維を配合して健康面にも配慮している。生産工場は国内協力工場(熊本)。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会の「嚥下調整食学会分類2013」でやわらか食は嚥下調整食3~4、ムースは同1j に相当する。時間価値の観点から、自然解凍で食べられる「完全油ちょう」の揚げ物を充実。「カニカマ天ぷら」「いかチーズナゲット完全油ちょう」「白身磯辺天完全油ちょう」「白身フライ(完全油ちょう)」「あじフライ(完全油ちょう)」「ヤングコーン天ぷらRV」「さつまいも天ぷらRV」「なす天ぷらRV」――の8品を品ぞろえした。このうち野菜天ぷらはベトナム産原料を使用し、現地(ソクチャン)加工している。卵とじなどアレンジの使い勝手も提案して、水産・惣菜売場、施設給食ほか幅広く販売する。極洋ならではの美味しさにこだわった魚介商品も打ち出す。
「熟成白味噌漬魚」を個包装パックで展開する。「熟成銀だら白味噌漬け」「熟成カラスカレイ白味噌漬け」「熟成さわら白味噌漬け」「熟成銀ひらす白味噌漬け」「熟成ナイルパーチ白味噌漬け」(各1切×25×5)――の5アイテムをそろえた。広島の協力工場で生産。味噌も地元、金光味噌の府中味噌を使用している。
「NEO まぐろたたきKF」(250g×20/500g×10)はマイナス18℃以下の一般冷凍庫で1年間の長期保管を可能にした商品。解凍後の色目も鮮やかなのが特徴。
家庭用冷食「えびカツ」(4個入120g)はエビをたっぷり使った1個30gの食べ応えあるエビカツ。品位を高めて食卓向けに提案する。市販フローズンチルドでは「ホットスモークサーモン」(60g)と「サラダサーモン」(1切)を提案する。前者は第19回ファストフィッシュ選定商品(水産庁)。厳選したチリ産ギンザケを風味豊かでやわらかい温燻に仕上げた。後者はシーマルシェブランドで展開。北海道産アキサケをスモークしオリーブオイル風味に仕上げた。いずれもエィペックス・キョクヨー(兵庫)で生産。サラダフィッシュは近日中に2品ほどアイテムを追加する計画だ。想定小売価格は298円。
〈冷食日報 2019年2月28日付〉
極洋 フローズンチルド「ホットスモークサーモン」