GW初の10連休は改元の祝賀需要に沸く 冷凍食品は日常使いの商品が堅調

初の10連休となった今年のゴールデンウィーク。小売店では改元によるお祝いムードも手伝い、寿司やオードブル、高単価なビールやワインなどの売り上げは伸長した。流通の関係者は「年末年始にも似た動向だった」と振り返る。一方の冷凍食品は、米飯やパスタなど簡便性の高い商品は購入が進んだものの、長期休暇の影響で弁当商材の苦戦も見られた。

小売店やコンビニに7社に来店客数について聞くと、多いところでは10%増だが、前年並みとの声もある。イオンリテールでは前年比5~10%増となった。改元やこどもの日などのお祝い需要もあり、オードブルや刺身などの販売は伸長した。一方の冷凍食品は、特別な日ではなく日常使いの商品として引き合いを伸ばした。米飯やパスタなどは堅調に推移した。おつまみ商品も需要があったという。

イトーヨーカ堂では、都市部・地方含めて順調な客足だった。4月30日と5月1日は特に客足が伸びたという。「地方も好調だった」(同社担当)と振り返る。惣菜の需要も堅調に推移した中で、改元前後に「御馳走」需要が大きく目立った。寿司の販売は、30日は前年から約20%増、1日は約50%増と大幅に伸びた。ワインも30日は約70%増、1日は約40%増えたという。酒類全体では30日は約40%増、1日は約30%増となった。

ライフコーポレーションでは、連休中の客数はほぼ横ばいという結果になった。冷食では和風スナックや米飯などの簡便性の高い商品が好調を維持したという。

イズミでも客数は横ばいだったという。行楽需要などの高い商品群は前年比10%増と順調な売れ行きを見せた。一方で、弁当材料などの日用品は不振に終わった。冷凍食品全体の売り上げは「伸びていない」(同社担当)という。昨年9月から冷凍食品を展開する良品計画では、「無印良品週間」だたため、会員優待の効果もあり順調に推移したという。冷凍食品も4月4日オープンの銀座店に加えて、冷凍食品の取り扱う新店の開業、テレビ放映の効果もあった。

コンビニではファミリーマートの客数はほぼ横ばいだった。好調だった商品は単価の高いビールなど祭日需要があった。ホットフードも、あげものやアメリカンホットドッグ、つくねなど順調に推移し「惣菜と酒の併売効果」(同社担当)も見られた。

〈冷食日報 2019年5月20日付〉