大光 千葉支店を開設し関東の営業強化、アミカ事業ではキャッシュレス対応も/金森武社長インタビュー

大光 金森武社長
――足元の業績について

2019年5月期第3四半期(18年6月~19年2月)までの売上高は3.2%増463億3,300万円とほぼ計画通り、営業利益は26.9%減4億3,000万円と減益。当期は外商事業の拠点開設、アミカ事業の新規出店や物流センター増設など、事業規模拡大に向けた設備投資の影響から減益を計画していたが、加えて物流費の増加がインパクトとなった。

物流費については、得意先や外部委託先と連携し、配送頻度や配送コースの見直しなど効率化・コスト抑制に取り組んでいるが、人手不足などを背景とする物流費高騰の影響が大きく、利益面では厳しい状況が続いた。

事業別に見ると、主業である業務用卸「外商事業」は売上高2.1%増306億2,200万円、営業利益49.1%減1億1,500万円と増収減益。新規顧客の獲得が寄与し、売上高は予定通りに進捗した。12月には、関東地区の更なる営業強化をはかり千葉支店(千葉県習志野市)を開設した。利益面では支店開設に伴う経費増加や物流費増加が影響した。

業務用食品小売業の「アミカ事業」は売上高3.8%増142億7,000万円、営業利益3.5%減10億0,600万円。4月には、静岡県内5店舗目となる静岡清閑店をオープン。ネットショップは引き続き高い伸び率で成長を継続している。売上高は、実店舗、ネットショップともに順調に推移している。利益面では、新店開業や物流センター増設などの設備投資に伴う経費増加が影響した。

「水産品事業」は売上高23.0%増15億1,900万円、営業利益40.4%減2,700万円と減益。既存得意先との取引深耕や新規開拓に取り組み売上高は増加しているが、物流費など経費増加の影響から減益となった。
 
――市場環境について

消費者の節約志向、低価格志向は根強く、外食産業においては引き続き厳しい状況が継続している。業態別にみると、ホテル業態は宴会需要が減っているが宿泊需要は好調、総じて好調だ。当社と取組みの多い居酒屋業態は、年末の忘年会需要も盛り上がりを欠き、消費者のトレンドの変化も非常に早く苦戦していると感じる。

商品面では、手間のかからない冷凍・チルド商品やキット商材が伸びている。以前からマカロニサラダ等のサラダ類の売れ行きはよかったが、利便性の高い和惣菜などの商品が伸びている。

――千葉支店を2018年12月に開設した

市場規模の最も大きな関東地区における営業強化を図り、千葉支店を開設した。東京支店、横浜支店、千葉支店が連携し、多様な外食産業に対する新規開拓を強化するとともに、効率的な配送体制を整備し、関東地区における事業規模拡大をねらっていく。中長期的には更なる拠点開設も検討している。

――働き方改革など課題となっている

当社では、全社員が土日を含めて9連休を取得する、リフレッシュ休暇制度を設けるなどワークライフバランスを推進し、従業員が活躍できる社内環境の向上に努めている。リフレッシュ休暇制度は、導入当初は社員間で困惑もあったが今では定着しており、業務負荷のかからぬよう計画的に休暇取得している。

――2019年度の方針について

引き続き厳しい市場環境が続くと見ている。世界経済は先行き不透明であり、10月の消費税増税前後の動きも見通しが難しく、ひとまずニュートラルに考えていきたい。

外商事業では、引き続き新規顧客の獲得、特に千葉支店を出した関東での拡大を図る。また、物流費をはじめとする経費抑制に取り組み、収益改善を図る。

アミカ事業では19年度の出店は現時点で未定だが、引き続き中部エリアにおけるドミナント化を進めていく。また、小売業ではキャッシュレス決済が増加しているが、アミカにおいてもクレジットカード決済だけでなく、試験的に導入している電子マネー決済の拡張も検討していくほか、LINE を使ったクーポン配信など、顧客目線に立った対応を進めていく。

水産品事業では、イタヤ貝や帆立貝など貝類の販売が柱となっているが、従来から取り組んでいたタコに加え、今期はイカ商品の販売に取り組んでおり、貝類以外の販売にも注力していく。

〈冷食日報 2019年6月17日付〉