ニチレイフーズ 家庭用に箸で切れる「極上ヒレかつ」、業務用に惣菜キット商品「Vegedelica」/2020年春季新商品

ニチレイフーズ「極上ヒレかつ」
ニチレイフーズは1月10日、2020年春季新商品を発表した。家庭用ではいまだ冷食売場で定番の地位を確立できていない豚カツに、箸で切れる柔らかさを実現したこだわりの「極上ヒレかつ」を提案する。業務用では野菜たっぷりの惣菜が簡単にできるキット商品として「Vegedelica(ベジデリカ)」を提案した。惣菜の調理現場での人手不足からキット惣菜の要望が強いとして、需要を見込む。

家庭用では冷食で新商品12品、リニューアル17品、常温食品で1品を、一部を除き3月1日に発売する。家庭用一押し商品となる「極上ヒレかつ」(4個入180g)のこだわりは肉の下ごしらえと生パン粉、二度揚げ調理の3点。下ごしらえは専門店の工程にならい、一晩寝かすことで柔らかな肉質と肉の旨みを引き出した。パン粉には生パン粉を採用。軽い食感の焙焼パン粉と剣立ちの良い電極パン粉の2種類をブレンドした。揚げ工程でも職人の手法にならい、最初にじっくり火を通し、2度目で衣をサクッと仕上げた。

宮川浩幸家庭用事業部長は「豚カツは外食での喫食率が高く、自宅の調理メニューの代表格でもあったことから、冷食にとって難しいカテゴリーだった。今回は値ごろ感も加味して、外食や中食と比べてもメリットを感じてもらえる商品が出来た」と自信をのぞかせた。

戦略カテゴリーであるチキン、米飯、冷凍野菜について。チキンでは新商品として「梅しそささみ天」(250g)と「なんこつ入り鶏つくね」(210g)を発売する。前者は食卓のおかずメニューで、うどんとの相性も良い。後者は提案を継続してきたおかずにもおつまみにも使えるチキンメニューの追加となる。

米飯では「本格炒め炒飯」の改良を継続。今回は香ばしい卵の風味を追求した。また新商品として和風の「梅ひじきごはん」(430g)を発売する。健康イメージのある梅とひじきを使った、かつおだし香るごはん。シニア層を狙った。1袋あたり食物繊維はレタス3個分、カルシウムは牛乳2本分を含んだ栄養価値も特徴だ。ワンハンド米飯の「まぁるい焼」には新商品として「塩だれ肉めし」味を投入する。

冷凍野菜には袋ごとレンジ調理できる「レンジでおいしい!えだまめ」(120g)を発売。既存の「レンジでおいしい!ポテト」と店頭併売を狙う。タイ産。またサラダ市場に向け「そのまま使えるグリーンアスパラ」(150g)を新発売する。中国産。

弁当商品も12月に先行発売した「たっぷり野菜の和風ハンバーグ」のほか「ベーコンポテマヨ焼」など合計4品をそろえた。

業務用は冷食で新商品20品、リニューアル10品、常温で新商品3品を、3月から4月(一部6月1日)にかけて発売する。

定番カテゴリーでは惣菜向けに「アンガスビーフハンバーグ」を新提案する。アンガス種の牛肉(オーストラリア産)を使用し、香ばしく肉のほぐれ感のあるふっくらジューシーなハンバーグに仕上げた。「トリュフ香るデミグラスソース」をセットにした商品も用意した。

「宮城県蔵王産ミルクのなめらかクリームコロッケ(かに入り)」はとろけるなめらかさを実現したクリームコロッケ。手作り感のある形状に仕立てた。

業態別提案も開発の軸に据える。惣菜向けの新提案「Vegedelica」は彩りと健康感にこだわった、おいしく野菜を摂れる惣菜というコンセプト。松尾哲哉執行役員は「数年前にチャレンジしたことがあるが、人手不足など要望が強いため再度展開する」と話した。船橋パックセンターにアッセンブル機能をもたせた。

「Vegedelica グリルチキンと彩り野菜のハーブ塩仕立て」([野菜ミックス900g+チキン500g+スパイス30g]×6)と「同厚切りベーコンのジャーマンポテト」([野菜ミックス1kg+スパイス30g]×6)の2品を品ぞろえした。前者はカボチャ、皮つきジャガイモ、ブロッコリーのミックスと、グリルチキン、シーズニングスパイスのキット。野菜とチキンをオーブン加熱後にシーズニングを混ぜるだけ。給食向けとして、好評の「ボイルでサクッと」シリーズにメンチカツを追加する。

〈冷食日報 2020年1月14日付〉