2020年2月の冷凍果実輸入量、数量15.3%増、中国産は4割減
財務省がこのほど発表した2020年2月の冷凍果実輸入高は数量ベースで5,831tとなり、前年比15.3%増と4カ月連続の前年比プラスとなった。
前年(18.4%減)の反動影響もあるが、中国産については新型コロナウイルス感染症拡大の影響が顕著にみられるなか、各品目の他の主要国の輸入数量が増加してカバーしている。金額ベースでは14.0%増17億8,278万円、1kg当たり単価は平均305.7円で前年より1.1%安とパパイヤ・マンゴーを除き全体的に下落基調が続いた。
中国産は合計934tで前年比40.5%の大幅減となった。3カ月連続で前年同月を下回る結果だが、さらに当月は凍菜同様に新型コロナの影響が大きいと見られる。中国産の平均単価は228.9円で前年比25.6%下落した。
他方で当月は加糖ストロベリー、無加糖のベリー・ラズベリー、パイナップルなど大幅増となった品目も目立った。次に品目別に見ていく。
最大品目である無加糖ストロベリーは3.9%増。3カ月連続の前年比プラスとなった。そのうち中国は34.4%減と4カ月連続マイナス。一方でエジプトが24.1%増と4カ月連続の大幅増、ペルーが25.8%増と伸長した。
加糖ストロベリーは16.2%増と2カ月連続で前年同月を上回った。そのうち中国は42.4%減と6カ月連続マイナス。米国も53.5%減と再びマイナスに転じたが、チリは2.5倍増の402tと牽引した。
無加糖ベリーは70.5%増と6カ月連続プラス。トップシェアのカナダは28.6%増と再びプラスに転じた。米国も95.3%増と2カ月連続のプラス、ラトビアも堅調に数量を積み重ねている。この3カ月低迷していたチリは6.1倍増と大幅増に転じた。
無加糖パパイヤ・マンゴーは7.7%増と再びプラスに転じた。トップシェアのペルーは10.9%増と5カ月ぶりのプラス、タイも2.6倍増と6カ月ぶりのプラスとなった。一方でベトナムは43.7%減と4カ月ぶりのマイナスとなった。コロンビアは堅調だが、中国は実績ゼロとなった。平均単価は432.6円で46.8%高。タイ産の増加が影響している。
無加糖ラズベリーは39.1%増と2カ月連続のプラス。チリが48.2%増と再びプラスに転じ、セルビアも6割増と2カ月連続プラスとなった。平均単価は396.7円、11.1%安だった。
無加糖パイナップルは46.7%増と再びプラスに転じた。コスタリカが54.3%増、フィリピンも35.2%増とプラスに転じた。ベトナムも2.4倍増と伸長している。
「その他」は中国が2割減。イタリア、南アフリカ(25.0%増)、エクアドル(91.7%増)などが伸長して総量に寄与している。
〈冷食日報2020年4月6日〉