業務革新のノウハウを反映した設備・機能をもつ最新鋭の物流モデルセンター「名古屋みなと物流センター」稼働/ニチレイロジグループ

ニチレイロジグループ「名古屋みなと物流センター」
〈冷食共配・宅配クール便・幹線中継を担う〉
ニチレイの低温物流事業を担うニチレイロジグループは4月15日、名古屋市の港湾エリアに新物流センターを稼働する。名称は「名古屋みなと物流センター」で、ニチレイロジスティクス東海が運営する。

労働力不足の時代における同社グループのモデルセンターに位置付け、これまでの業務革新のノウハウを反映して自動化設備や情報先端技術を導入した。立地を活かして、輸入貨物の荷揚げ地分散に寄与するほか、首都圏と近畿圏とを結ぶ中継機能を提供する。

ニチレイロジグループ本社の梅澤一彦社長はセンター稼働について「業務革新のノウハウを反映した設備・機能をもつ最新鋭の物流センターとなる。またここには、旗艦モデルセンターに相応しい、経験豊富な精鋭の従業員・スタッフを配置した。私どもが基本姿勢として位置付ける『お客様の利用体験価値の向上』をあらゆるシーンで感じていただけると思う」と話す。

新センターは名古屋埠頭DC、名港中央DCの至近に位置する。名古屋地区6拠点の役割を再編し、新センターでは主要業務として冷食共配、宅配クール便、幹線輸送の中継――を担う。

新センターの収容能力は3万7,294t。これによりニチレイロジグループの設備規模は国内外で200万tを超えた。

省人化のモデルセンターとして設計段階から、これまで蓄積してきた業務革新ノウハウや新しいデジタル技術を組み込んでいるのが機能面の大きな特長だ。

パレット自動倉庫やケース自動倉庫、移動ラック、高速ソーターなどのマテハン機器を組み合わせ、最適な運用で省人化を図っているという。「人と機械の協働による柔軟なセンター運営を実現する」考えだ。オペレーション面では、タブレットをフル活用することで業務効率化を加速。自動配車システムも本格運用する。

梅澤社長は「デジタル化による情報一元管理と更なるペーパレス化の推進など、今後の省人化モデルを先取りする取り組みを進め、実証される新技術やノウハウを全国のグループ拠点に横展開していく」としている。

名古屋港湾地区という立地の利便性に、最新機能を導入した優位性を最大限活用していく。

全国的に港湾地区では冷蔵倉庫の庫腹能力が不足し、輸入貨物の荷揚げ地分散化ニーズが高まっている。また運送面ではドライバー不足や長時間労働への法令の厳格適用への対策として、幹線輸送の中継機能が求められている。同センターを稼働させることで、この2つの課題に応えていく。

同センターには名古屋港に直結する港湾物流拠点としての機能と幹線輸送の中継基地としての機能、さらに提携する大手宅配クール便のターミナル機能を併設。輸入原料から加工食品まで幅広い商材で高度なワンストップサービスを提供することができる。

冷凍加工食品の輸配送集約も展開する。今年3月、国土交通省の物流総合効率化法に基づく認定を取得している事業となる。複数の運送会社と共同して車両の高度活用によるCO2排出量の削減(計画で12.1%削減)と、トラック予約受付システムの導入などで車両待機時間の削減(同手待ち時間70.0%削減)を見込む。

ニチレイグループの旗艦センターとして、公共性・社会貢献の視点からも積極的な取り組みを行っている。構内はバリアフリー化し、多様な人材が活躍できる環境を整えた。倉庫部分には免震構造を採用。津波に対して緊急時の避難場所に指定登録されている。

〈「名古屋みなと物流センター」概要〉
◆所在地

名古屋市港区稲永3-8-2

◆広さ
敷地面積7,667坪、建築面積3,262坪

◆設備能力
37,294t(F級冷蔵庫30,892t(うちFC級兼用2,362t)、低温室6,402t)

◆構造
冷蔵棟
地上4階建[1,758坪、32,581t]・トラックバース北側17+東側9免震構造(冷蔵倉庫部分)
荷捌棟
地上1階建[1,382坪、4,713t]・トラックバース北側9+西側15。以上トラックバース合計50基

◆主な設備特徴
全館バリアフリー対応、移動ラック、高速ソーター、パレット・ケース自動庫、陽圧装置、顔認証システム・ID錠。

〈冷食日報2020年4月14日付〉