冷食2019年国内生産量は家庭用・業務用とも増加、過去2番目の水準

冷凍食品国内生産量・用途別
〈うどんが8.9%増で小分類品目別でコロッケ逆転し首位に〉
日本冷凍食品協会が4月15日に発表した2019年(暦年)の冷凍食品国内生産量(速報値)は、前年比0.6%増の159万7,319トンとなった。

2017年以来2年ぶりのプラスで、2年前の160万0,046トンには及ばなかったが、過去2番目の数量となった。家庭用が1.0%増、業務用が0.4%増でともにプラスとなった。金額ベースでは0.5%減の7,131億円と前年をわずかに下回ったが、3年連続で7,000億円台となった。一方、1キロ単価は446円(前年451円)と3年ぶりに前年を下回った。2019年の国内生産高は、全国の364企業438工場の合計値で、2018年よりも工場数は1.4%減少した。

用途別では、業務用は0.4%増90万3,125トンと2年ぶりにプラスを回復したが、金額は0.2%減と2年連続減だった。家庭用は1.0%増69万4,194トンで5年連続増だが、金額は1.0%減3,160億8,800万円で、2年連続減となった。

業務用と家庭用の構成比は数量ベースで56.5%対43.5%となり、家庭用の構成比が前年比0.2ポイント高まり、1973年(46.0%)以降で最も高くなった。

木村均専務理事は、冷凍食品記者クラブの文書取材に対し「家庭用では、消費者の冷凍食品に対する評価の高まり、TVなどを活用した商品・企業の積極的なPRなどの要因で伸びたのではないか。業務用は、認定数量などからみて、もう少し低い水準を予想していたが、外食産業の人手不足、中食の伸長などを背景に、前年を上回ったとみられる」との見解を示した。

品目別で見ると、大分類で「水産物」は4.7%減と引き続き減少が続いたが、北海道の原料生産が回復した「農産物」は3.7%増とプラスを回復、国内生産の大半を占める「調理食品」は1.0%増と4年連続でプラスとなった。小分類の品目で前年に対して大きく増加したのは、うどん(19,243トン増、11.1%増)、ハンバーグ(5,211トン増、8.0%増)、卵製品(4,544トン増、11.3%増)、グラタン(4,447トン増、20.4%増)など。減少したのは、中華まんじゅう(8,277トン減、29.0%減)、コロッケ(7,962トン減、4.6%減)、カツ(6,030トン減、9.2%減)などだった。

また、小分類の品目別生産量2015年以降連続で1位だったコロッケをうどんが逆転し、2位がコロッケ、3位は炒飯となった。

〈冷食日報2020年4月16日付〉

冷凍食品国内生産量・品目別

冷凍食品国内生産量・品目別