国分グループ低温・フレッシュ事業、2020年度は「変化を価値に」がテーマ
国分グループの2019年度低温・フレッシュ事業の売上高は前年比9.1%増の3,749億円となった。グループ長期経営計画の最終年度となる2020年度は、機能基盤のさらなる強化と低温卸各社の施策具体化を行い、長計の後半3カ年中期予算である売上高4,500億円を目指していく。4月16日開催予定だったグループ低温フレッシュ事業方針説明会が新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となっていたが、このほど、改めて低温フレッシュ事業基本方針の資料を公表した。
2019年度の低温フレッシュ事業の売上高は前年比9.1%の3,749億円で、カテゴリー別内訳は冷食が45.9%の1,721億円、チルドが46.9%の1,758億円、冷菓が7.2%の270億円だった(金額は本紙算出)。また、各事業会社の売上構成比は次のグラフの通りだった。
2019年度のトピックスとして、
〈1〉全国低温フレッシュ事業展示会初開催(6月)
〈2〉ナックス、イオングループ取引拡大(6月)
〈3〉関西総合センター開所(9月)
――を挙げている。
2020年度は基本方針を「変化を価値にする。食品流通の全体最適化を目指し、関わる皆様に価値を提供します。」とし、ポイントとして、
〈1〉流通加工ビジネス
〈2〉配送機能とストックポイント
〈3〉フレッシュ事業強化
――を挙げ、それぞれ次の施策を行う。
〈1〉流通加工ビジネス
物流機能の高度化を図り、流通加工ビジネスを推進。関西総合センターの2階に一次加工の対応エリアを設け、温度帯変更、小分け、商品セットアップ機能を提供し、メーカーの流通加工に関する各種要望に応える。
温度帯変更は、いわゆるフローズンチルドの温度帯変更・ラベル印字・貼付を実施。小分けは、バルクの商品を小分けにして店舗などに納品する。商品セットアップ機能は、複数商品をセットアップし「人気2種ケーキアソート」「チーズとミックスナッツ詰合せ」のような商品を実現する。
〈2〉配送機能とストックポイント
関西総合センター稼働により、全国低温物流ネットワークが完成。関西でのチルド・冷凍のハブ拠点として、倉庫業法の営業倉庫登録であるため、メーカーの関西ストックポイントとして活用できる。これにより、卸物流とメーカー物流の融合や、生産地と消費地を結ぶ幹線ネットワーク構築を進める。
また、物流では「日本デリカ運輸」に低温事業各社の物流管理機能を統合し、相互補完とシナジーを発揮する体制を推進する。一方、沖縄では2021年春にりゅうせき低温流通センターの新センターを竣工。新調する沖縄経済と中国・ASEAN への対応を図り、ここでもメーカー在庫機能、フローズンチルド機能によるメーカー物流コスト削減を可能にする。
〈3〉フレッシュ事業強化
「生鮮総合問屋」として、生産者・仲卸業者・メーカー・小売業に対し、原料調達から加工・配送・販売支援まで、生鮮流通の課題解決を支援する。ポイントとして1つは今年1月、青果卸と水産卸を統合し、「国分フレッシュリンク」を再編。青果の大田市場、水産の豊洲市場という2大市場で、卸事業と流通加工事業の2軸で事業規模拡大を図る。
2つ目は流通加工事業を進化させ、プラスアルファの機能で国分グループの独自性を発揮。汎用拠点や営業倉庫に流通加工機能を付加するなどの取り組みを進める。
3つ目は国内外の原料調達力を強化。専門人員を雇用するとともに、パートナー企業との協業を進める。
〈冷食日報2020年5月12日付〉