「大阪王将羽根つき餃子」100億円突破、焼餃子は好調14.9%増・水餃子も2.8%増/イートアンド2019年度決算

イートアンド「大阪王将 羽根つき餃子」
イートアンドの2019年度(20年3月期)連結業績は、売上高が前期比4.1%増303億6,100万円、経常利益1.2%増8億800万円と、増収・経常増益となった。

セグメント別で食品事業は売上高9.6%増162億9,700万円、営業利益41.8%増9億6,200万円と増収・大幅増益。店頭販売・タレントを起用したイベントの実施等といった日々の営業活動が寄与したほか、デリカ・外食向けの業務用が伸長した。

販売の内訳は焼餃子が14.9%増、水餃子が2.8%増と伸長。近年力を入れる業務用も6.4%増と伸長した。3月にはファミリーマートで「大阪王将監修揚げ餃子」が販売され好評を博し、5月下旬にも再販を予定しているという。

また、主力製品「大阪王将羽根つき餃子」が2019年1月~2019年12月における単品売上として100億円(出荷ベース)を達成した。

2020年2月下旬には家庭用新商品4品、リニューアル品8品の販売を開始。「大阪王将冷やし餃子」は、冷凍餃子で未開拓の流水解凍の新感覚餃子として、高い評価を受けているという。また、「堅焼きつまみ餃子」は3月に計画比30%増と好調。巣ごもり消費、家飲み需要から支持されている。また、改良して新商品として発売した「羽根つきチーズぎょうざ」もチーズ好きに向けた商品提案で販売数が増加しているという。

コロナ禍の影響が見通せないため、20年度(21年3月期)の業績予想は発表していないが、足元の4月、市販冷食では焼餃子類26%増(うち羽根つき餃子10%増)、水餃子20%増と販売が拡大している。

生産体制では、昨年11月に関東第二工場が稼働し、生産性が焼餃子1レーン当たり35%増となるなど、主力商品の生産性が大幅に向上している。これにより、自社工場による内製化比率を上げていく方針。一方、各工場の稼働が上がっている中でも、需要過多の状況は続いているという。

〈外食事業はコロナ禍影響、体験型テイクアウトメニュー投入〉
一方、外食事業は2月下旬よりコロナ禍の影響があり、既存店売上前年比は2月は6.1%増だったものの、3月は11.6%減と減少。海外からのインバウンド需要が急速に冷え込んだこと、また政府や各自治体による不要不急の外出自粛やイベント開催の中止等の要請を受け、一部店舗で休業や営業時間変更を余儀なくされる状況となったため業績に大きなインパクトを与えた。

現在、持ち帰り、デリバリー強化、テイクアウト専用体験型商品の開発、地域密着メニュー(この街の味シリーズ)を投入。「おうちで外食」をテーマに、食べたいと思ってもらえるような、体験型テイクアウトメニューを投入していく。

なお、同社は今年10月1日を目処に持株会社制への移行を目指すことを発表。食品事業は「株式会社イートアンドホールディングス」の完全子会社である「株式会社イートアンドフーズ」へと承継される予定。

〈冷食日報2020年5月27日付〉