JCコムサが「デルソーレ」に社名変更、有明に本社移転、社外取締役に外国人女性2人、「グローバルカンパニーとしての船出」
7月8日に新本社で開いた記者会見で、大河原毅CEOは次のようにあいさつした。
▽ジェーシー・コムサはジェーシー・フーズとコムサネットという2社の合併会社で、オフィスも(南多摩と恵比寿に)分かれていたが、かねてより統一したいという夢があった。同時に『デルソーレ』ブランドの商品が市中で約7割のスーパーの棚に並んでいることから、(社名とブランド名を統一して)デルソーレという社名にした。
▽縁あってこの有明にオフィスを開くことになったが、(大河原愛子)会長とはじめてこの場所を見たときに、ビジネスで輸入も輸出も広がってきたこともあり、グローバルカンパニーとしての船出をしようというのにふさわしいと感じた。
▽グローバルという点では、長くヨーロッパにいた大河原泰が新たに取締役となり、外国の女性(社外)取締役を2人迎えた。
▽移転してからは和田隆介社長と毎日打合せができ、非常に社内コミュニケーションが良くなった。最大の利点だ。
新本社には恵比寿からの移転とともに南多摩の食品部門の本部機能を集約した。120人ほどのスペースをとっている。開放感のあるレイアウトで、プレゼン用のキッチンのほか、小上がりの畳の間を設けているのが特徴だ。
新本社・小上がりの畳の間
女性社外取締役を2人迎えたことについて、大河原愛子会長は次のように述べた。
▽日本の上場会社にはまだ女性役員が1人もいない会社が多い。ダイバーシティは非常に重要な問題だが、日本は非常に遅れている。“30%クラブ”と言っているが、社員も課長・部長クラスも3割女性にしなければ、役員も生まれない。今回は優秀な女性をメンバーに迎えることができた。
▽今後、グローバルカンパニーとしていろいろ企画しているが、ヨーロッパとの関係を強化しようと考えている。リトアニアの会社(マンティンガ社)とビジネスをしているが、もっともっと広げていきたい。(事務所の)窓から見える海の向こうに目を向けて一生懸命やっていこうと思っている」。
ダイバーシティについて、国内生産部門では外国人が4割を占める工場もあり、出身国も13カ国と幅広い。外食部門でも外国人従業員が多いのは同様だ。このような状況から、大河原毅CEO は「(役員だけでなく)中堅幹部に外国人を登用していくことも考えている」と話した。社外取締役となった2人のうち、イザベラ・ユベルツ氏はベルギー最大の商社で日本支社長、アジア太平洋地域代表として様々な業界の国際マネジメント経験を持つ。父が元駐日ベルギー大使で日本語が堪能。MBAは上智大で取得している。他方、アンドリヤナ・ツヴェトコビッチ氏は初代駐日マケドニア大使として昨年まで務めた人物。
大河原泰取締役は社長補佐兼グローバル事業開発室長兼購買グループGL(グループリーダー)に就任。新中長期計画作成担当も務める。海外事業について、マンティンガ社の輸入冷凍パンは業務用・家庭用とも販売を広げていく考えだ。
大河原毅CEOは「ヨーロッパには探せば良いものがたくさんある」として、ソース類や香辛料など、デルソーレの食事パン類の周辺商材を拡充していく考えを示した。他方、輸出はすでに始めている東南アジアへの輸出事業拡大を図る。インドネシアの合弁事業の活用も検討していくとしている。
新本社の所在地は東京都江東区有明3-4-10 TFTビル西館7階。
〈冷食日報2020年7月10日付〉