冷凍の幼児食宅配「ホーミール」発売4カ月で1万食達成、家事負担を減らしてしっかり食事を

ホーミール商品イメージ
〈最適な食事を提案する仕組み作りも〉
子どもと一緒に大人も食べられる冷凍の幼児食宅配サービス「homeal(ホーミール)」(運営:ホーミール)が、2020年1月のサービス開始から約4カ月で1万食を提供した。

販売は自社サイトだけだが、共働き世帯などで家事の負担を減らしつつ、しっかりとした食事を子どもと共に食べられることに加えて、家庭内で食事を摂る機会が増えたことも支持を集める要因になった。ブランドの成り立ちや今後など、鬼海翔社長に聞いた。

ホーミール・鬼海翔社長

ホーミール・鬼海翔社長

――まず、ブランドを立ち上げるきっかけは
 
個人的なきっかけとしては、息子が1歳のころに乳児性湿疹になったことです。保育園からも他の子にうつすかもしれないという理由で引き受けを断られる危険性もありました。妻は看護師として医療の知識を活かし、義理の母は保育士でサポートをしてくれましたが、私自身はこの分野は戦力外でした。その中でも何が出来るか考えた結果、栄養や健康面に行きつき、小学校に入る6歳までの間に食べる「幼児食」というものがあることを知りました。
 
離乳食やベビーフードのサービスは世の中にたくさんあります。しかし、幼児食に特化したサービスは見当たりませんでした。そこで、自分が欲しい幼児食のサービスを立ち上げることにしました。今年1月からは自社サイトのみで販売を開始しましたが、4カ月で1万食に達したのは想像以上でした。
 
――商品でこだわっていることは
 
一つは、大人も子どもも食べられる味と量にしたことです。商品1パック分は子どもと大人1人分ずつの量になっています。管理栄養士や食の専門家に話を聞くと、子どもだけの食事は「孤食(一人で食事をすること)」を助長してしまうとの答えが返ってきました。
 
幼児期の食事は「何を食べるか」に加えて「誰とどんな環境で食べるか」が重要になります。大人の真似をすることで心や体の成長につながるため、親子で一緒に美味しいものを食べるという共通体験が必要と考えてこのコンセプトにしました。特に、ワンオペ育児はフラストレーションがたまってしまうため、週に1~2日は一緒に食べられるようサービスを設計しました。複数人の子どもがいる場合は、子ども同士で3食分に分け合うこともできます。
 
また、幼児食に精通した管理栄養士や専門家と共にメニューを考え、現在は手作りで製造できるメーカーに委託しています。工場のような大量生産ができないという弱みはありますが、人の手で作ることで出せる味わいやサービスとしての温かみを今は大切にしています。
 
――直近の販売実績は
 
新型コロナウイルスの影響で2月末に保育園などの臨時休校が発表されてから、4月は前月比で2倍、6月は更に前月比で2倍の売り上げになりました。中食や内食需要の増加は追い風になっていると思います。
 
――サービスの今後は
 
8月末からは定期便を導入します。現時点では、子ども18食分で税抜4,500円(1食250円)を想定しています。また、定期購入者への割引や、初回購入時の割引も検討しています。商品も今は7種ですが、年内に定番品は10品、フルーツなど季節限定品4品を常に揃えられるようにしていきます。
 
また、同時期にオンラインでの幼児食診断の仕組みを導入予定です。栄養バランスや生活習慣などを3分ほどで答えてもらうと診断結果と最適な商品を紹介し、定期便の提案も行うようにします。幼児食の診断は国内外でも見たことのない取り組みになると思います。販売チャネルは基本的にオンラインが中心ですが、リアルな場としてお客様にホーミールを体験いただけるイベントやリアル店舗も将来的には実現出来れば良いと思っています。
 
〈冷食日報2020年6月16日付〉