ヤヨイサンフーズ「F イートベジ ひよこ豆のカレードリア」など発売、販売チャネルの変化に対応、拡販目指す/2020年秋の新商品
今季は商品開発コンセプトとして「価値の創造」「感動と信頼の創出」を掲げ、冷凍販売用ドリアおよび中食向けのフライ商品の発売を重点施策とする。特に、今回の冷凍販売用ドリア2品は同社商品で初めて、市販用冷食で見られるような写真入り包装を採用しており、冷凍販売品としてキャッシュ・アンド・キャリー(C&C)や宅配、ドラッグストアといったルートでの販売を目指す。
今秋の新商品はリニューアル品と合計で29品と、同社としては少なめな品数となった(昨秋70品、今春71品)。その理由について担当者は「コロナ禍の影響による開発遅延ではなく、今春の新商品がコロナ禍の影響で展示会等も開催されず、十分に拡販しきれていない状況であり、今秋は今春発売商品の再拡販、コロッケなどの季節もの商品というラインアップをメーンに発売するため商品点数が少なくなった」という。
そうした中で、商品開発コンセプトとして「価値の創造」「感動と信頼の創出」の2つを掲げた。「価値の創造」は、変化の激しい市場において、顧客が求めるさまざまな価値を具現化し、他社にない商品で差別化を図ることおよび、商品イノベーションを常に続け、技術力で業界をリードすることを意味している。
また、「感動と信頼の創出」は、商品を通じて顧客に「感動」を届けることおよび、品質・安全第一でヤヨイサンフーズ商品への「信頼」を築くことを指し示している。
これらコンセプトの下、重点施策として冷凍販売用ドリアおよび中食向けフライ商品の発売を挙げる。
〈包装に写真を採用するのは同社初、通販・宅配向け「F イートベジ」〉
「F イートベジ ひよこ豆のカレードリア」「同 完熟トマトのスパイシードリア」は、同社が19年秋から展開する「イートベジ」シリーズから初めて発売する冷凍販売用のドリア。
「イートベジ」は、「植物由来の食材を食べよう!」をコンセプトに、肉の代わりに大豆たんぱくから作った「大豆ミート」を使用。野菜や豆類など植物由来の食材を使用することで、中食市場においては健康訴求商品として、外食・産業給食市場に向けては、インバウンド需要や外国人労働者にも向けて提案してきた。
今回の新商品2品は昨秋のフローズンチルド向けで発売していたメニューと配合は同一だが、冷凍販売用商品として、C&C、通販・宅配、ドラッグストアといった市場をターゲットに従来の「デリグランデ」シリーズのドリア・グラタンとは異なる包装形態に取り組んだ。同社で初めて写真入りのピロ包装を採用、フタ・シュリンクはなしとしている。これにより、店頭での見栄えを良くするとともに、表示面が拡大され、訴求ポイントを消費者に分かりやすく伝わるようにしている。
商品特徴として、電子レンジ5分程度でできる簡便調理性を備え、1食完結で即食ニーズに対応するとともに、健康訴求によって市販商品とは差別化を図った点が挙げられる。
1日当たり必要量の2分の1相当の食物繊維を含んでおり、健康志向の食事を手軽にとることができる。「ひよこ豆のカレードリア」は、押し麦入りのターメリックライスに、クミンパウダーなど数種類のスパイスを組み合わせたキーマカレー風のソースと、ひよこ豆をトッピングした。挽肉の代わりに大豆たんぱくから作った“大豆ミート”を使用。また、食物繊維が1日に必要な量の2分の1に相当する11.2g/食含まれる。
「完熟トマトのスパイシードリア」は、押し麦入りのドリアライスに、マイルドな味付けのトマトソースと、クミンパウダーやチリパウダーを配合したスパイス感のあるミートソースをトッピングした。ミートソースには挽肉の代わりに大豆たんぱくから作った“大豆ミート”を使用している。また、食物繊維が1日に必要な量の2分の1に相当する11.8g/食含まれる。
〈「シルキーデリ」刷新など中食向けフライ商品を拡充〉
もう1つの重点施策、中食向けフライ商品では、「シルキーデリ」シリーズのクリームコロッケをリニューアルするとともに、同社が毎季投入している期間限定販売商品で新規商品および、リニューアル商品を投入する。
「シルキーデリクリームコロッケ(北海道産紅ずわいがに入り)」は、かに原料を「北海道産」に産地指定するとともに、かに原料配合量を2.0%から5.5%へ増量。「同(北海道産コーン)」と合わせて、ワンポイントシールを添付するとともに、入数・包装形態を変更し、調理現場でより使いやすくした。入数は40個×2合から8個×4袋×3合へ変更、包装形態はバラ詰めから無地ピロ包装へ変更した。
ヤヨイサンフーズ「シルキーデリクリームコロッケ(北海道産紅ずわいがに入り)」
中食向けフライ商品の期間限定商品は、旬の食材やメニューで季節性を重視し、量販惣菜などの売場に変化を持たせることをコンセプトに投入。これにより定番商品と差別化を図り、プラスアルファのニーズを狙う。今季は秋・冬をメインターゲットに原料産地のこだわり、北海道限定といった付加価値がある商品を揃えた。
〈冷食日報2020年7月29日付〉