2020年秋の冷食新商品は調理品が大幅増の6割超、コロナ禍で弁当品は苦戦

2019年秋と2020年秋の家庭用冷食新商品・カテゴリー別構成比
本紙「冷食日報」が集計したところ、2020年秋の家庭用冷凍食品新商品(リニューアル品除く、夏季の期中発売含む)は、18社から106品が発売された。

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今シーズンの新商品をカテゴリー別で見ると、弁当品や食卓おかずなど「調理品」の割合が60%と過半数を占め、2019年の46%から大きく拡大した。一方、「麺類」は21%と前年の29%から減少、「米飯」も5%と前年の13%から構成比を下げた。スナック(ピザ・グラタン含む)は12%と前年の10%から微増だった。

「調理品」は106品のうち64品で、全体の6割を占めた。うち弁当品は23品で、調理品のうち36%と4割を割り、前年の45%をも下回った。それ以前は2018年53%、2017年57%と過半数を占めていた。近年、弁当品市場は徐々に縮小傾向にあったほか、コロナ禍の休校要請やテレワーク増加などで、今年は弁当品市場が苦戦していることも影響したと見られる。

弁当品の新商品点数はマルハニチロの5品、次いでトロナジャパンが4品、テーブルマーク、日本ハム冷凍食品が3品だった。

マルハニチロは水産原料の「OceanBlue」2品、野菜を多く使った「Let’s ベジランチ」1品といったシリーズ商品のほか、「えびマヨ唐揚げ」「サーモングラタンコロッケ」と強みを持つ水産系商品を揃えた。

トロナジャパンは、「おかず三昧」のお弁当シリーズで鶏商品2品・水産系商品2品の計4品を揃えた。

一方で、おかず系商品は合計36品のうち、13品を投入した米久が最多。次いで日本水産が5品、ケイエス冷凍食品、トロナジャパン、日本ハム冷凍食品が4品と続く。大手5社の一角である日本水産を除くと、中堅メーカーが積極的に商品投入を行った。

米久は、昨報の通り大豆ミートを使った「AIRMEAT」7品、レンジ調理の食卓惣菜「レンジde 食卓」6品とシリーズ品を大量投入し、一気にラインアップを拡大した。

日本水産は、「今日のおかず」から和惣菜シリーズ4品を投入したことで品数が多くなった。

ケイエス冷凍食品は「国産鶏肉使用 肉だんご(プレーン)」「スパイシースティックチキンボリュームパック」「こだわりカレーコロッケ」「マヨたまサラダコロッケ」と特徴ある商品を揃えた。

トロナジャパンはミールキットシリーズ2品を含む「おかず三昧」から3品と「すき家 炭火やきとり丼の具」で計4品。日本ハム冷凍食品は夕食のメーンを目指した畜肉惣菜「シェフの厨房」シリーズ3品を含む計4品を発売した。

「麺類」は合計22品で、前年の40品から大きく減った。麺類のうちパスタは11品で、麺類の中での構成比は50%を占めるが、前年2019年秋の63%、2018年秋の68%、2017年秋の74%を大きく下回っている。日清フーズは計9品と比較的数が多かったが、例年、パスタの新商品を多く投入してきた日本製粉が今シーズンは高付加価値パスタ「レガーロ 芳醇クワトロフォルマッジ」の1品にとどまったほか、日清食品冷凍もパスタは「日清スパ王プレミアム 蟹の濃厚トマトソース」1品と少なかった。

中華(具付き)は4品で、麺類の中で18%。2019年秋は20%、2018年秋18%、2017年秋13%と推移しており、品数は少ないが構成比はほぼ横ばいだった。

そば・うどんの和風麺(具付き)は7品で、麺類の中で32%。2019年秋が13%、2018年秋が13%だったため、構成比が拡大した。日清食品冷凍が「日清のどん兵衛」2品、「日清具多」2品など、計5品を投入したことが押し上げた。

〈冷食日報2020年9月24日付〉