日本アクセス「関東フローズンマザー物流センター」試験運営開始、「冷凍物流の社会的課題解決へ道筋を」
日本アクセスでは昨年度から「冷凍マザーセンター構想」を打ち出していた。冷凍物流業界では、メーカー毎にパレットの規格が異なることからパレット化が進んでおらず、他の温度帯と比べて労働環境が過酷にも関わらず、配送車両への手積み・手降しが未だに解消されていない。その結果、ドライバーの長時間拘束や納品先での待機問題等が社会問題化しており、同社では冷凍物流の安定供給を阻害するリスク要因と捉えているという。
今回の運用では、メーカー工場からマザーセンターで一括仕入れし、同社各支店・物流センターへ横持ちする物流機能を実現。
効果として、
〈1〉取引メーカーの営業倉庫に対する寄託在庫料削減
〈2〉受発注集約で業務効率化を推進
〈3〉納品車両の集約による物流削減
〈4〉パレット運用による荷降ろし時間短縮と待機時間解消
――の4つを挙げる。
また、新たな試みとして「パレットSCM(事前出荷情報)」を導入。荷受け側の汎用センター入荷検品作業軽減を目指し、マザーセンター出庫データから荷受け側汎用センターの入庫予定データが自動生成されるシステムを導入することで、荷受け側ではSCMラベルのバーコードをスキャンすれば、パレット積付け情報を取り込むことが可能となる仕組みを導入する。
今後、11月2日に汎用センターからマザーセンターへの発注を開始し、11月3日から出荷。まずはFS(実行可能性調査)と位置付け、大手メーカー10社前後限定でスタートする。今後、費用面や運用面の検証を1年間かけて実施し、FS結果を踏まえ関東エリアで本稼働に移行を予定する。さらに東北や中四国を手始めに全国へ展開し、冷凍物流の社会的課題解決に貢献するとしている。
〈冷食日報2020年11月2日付〉