【年頭所感2021】日本冷凍食品協会・大櫛顕也会長/冷凍食品(100+1)周年・新たな世紀に、変化に機敏に対応を
冷凍食品についても同様に、一部の家庭用商品は一時的に需要が急増し、供給が追い付かないケースも見られましたが、その後、落ち着いた動きに戻りました。一方、業務用は、2020年3月初めの突然の学校休業に始まり、飲食店の営業自粛や時間短縮、在宅勤務の浸透などが需要喪失に大きく影響しました。
今後、新型コロナウイルスの感染が収束に向かえば、業務用の回復が期待されますが、「ニューノーマル」のライフスタイルに移行していくことが予想され、従来の水準に戻れるか分からない状況です。冷凍食品業界としても、これからの新しい変化に機敏に対応していくとともに、企業として、持続的な社会の実現に向け、社会的責任を果たしていくことが更なる業界発展につながると考えます。
当協会では、2020年も様々な事業を展開してきましたが、新型コロナウイルス感染拡大により、当初計画を大幅に変更せざるを得ませんでした。来年度は積み残した事業を含め、広報事業拡充に努めます。
冷凍食品認定制度については、冷凍食品工場に対する指導により、近年、認定工場の品質・衛生管理レベルは格段に向上していますが、さらに高いレベルを目指すため、関係制度を改定したところであり、来年度から施行します。また、2020年4月以降、各地での品質・技術に関する講習会の開催を見合わせてきましたが、状況を見ながら再開したいと考えています。
そのほか、環境対策として、フロン類から自然冷媒への転換促進、プラスチック製品の削減などが求められており、会員に対して必要な情報提供を行うとともに、業界の立場を主張していきたいと思います。
2021年は、冷凍食品(100+1)周年に当たり、新たな世紀を迎えます。新型コロナウイルスの感染が終息し、会員各位をはじめ冷凍食品に関係する皆様にとりまして、良い年になることを祈念して新年の御挨拶とします。
〈冷食日報2021年1月6日付〉