日本ハム冷凍食品 増収増益、足元で秋新商品が単価を押し上げ/2020年4~9月実績

日本ハム冷凍食品・植月実社長
日本ハム冷凍食品の上期(4~9月)業績は、具体的数値は非公表だが、売上高・利益とも前年同期を上回り増収・増益となった。足元12月までも好調だという。1月15日に開催した新商品発表会で植月実社長らが明らかにした。

NB(ナショナルブランド)のカテゴリー別では、「中華の鉄人 陳建一」シリーズを中心とする中華は増収。主力の「国産豚の四川焼売」を中心にコーナー化販促提案が好調につながった。シリーズ内の売上順位は〈1〉国産豚の四川焼売〈2〉小籠包〈3〉甘酢肉団子〈4〉海老蒸し餃子――の順だったという。

畜肉おかずも増収。既存品で「若鶏ももからあげ」大容量の777gや、丼の具「松屋 牛めしの具」などが伸長した。足元で、昨秋新商品「シェフの厨房」シリーズも好調だという。

一方、NBの弁当品は全体的に苦戦したという。

また、PB・留型は全体として不調だった前年から回復し、プラス推移だとした。

NBで全体の売れ筋トップ3は〈1〉中華の鉄人 陳建一 国産豚の四川焼売〈2〉黒豚やわらかひとくちかつ〈3〉中華の鉄人 陳建一 小籠包――の順、秋冬新商品では〈1〉シェフの厨房 鉄板焼ハンバーグ〈2〉シェフの厨房 チキンステーキ〈3〉ちっちゃなチーズハットグ――の順だった。

ここまでの増益要因について植月社長は、コロナ禍により活動が制限され、旅費交通費、交際費、マネキン販促費などの経費低減もあったが、特に下期に入って、秋冬新商品の動きが非常に良く、(高単価のシェフの厨房シリーズなどが)単価を押し上げたことを挙げた。

なお、直近の緊急事態宣言に際して、需要の異常な急拡大や供給面での問題は特にないという

また、新商品発表会開催に際してあいさつした植月社長は、要旨次のように話した。

〈植月実社長〉
2020年4月に着任し、すぐにコロナ禍の影響があり世の中の消費環境が一変した。食品業界では、テークアウトを除く外食、CVS(コンビニエンスストア)が苦戦し、今回の緊急事態宣言でそれに拍車がかかると予想される。一方、市販冷食は簡便性・ストック性やおいしさが再確認され、在宅勤務や家飲み需要もあって好調に推移した。しかし営業活動が減少し、消費者や得意先、業界内でのコミュニケーションが大きな課題となっている。

当社の商品政策は、前回同様、畜肉惣菜と中華惣菜に重点を置いている。4~12月は昨秋の「シェフの厨房」シリーズ、「ちっちゃなチーズハットグ」を中心に計画以上で推移している。自宅で本格のコンセプトと、スナック・オードブル需要の取り込みでマーケットを捉えることができた。今回の春夏もぶれることなく畜肉・中華惣菜のラインアップを強化するとともに、グループシナジーを出す取組を継続する。当社の業界内での位置づけを認識・共有し、営業アプローチも強化していく。

〈冷食日報2021年1月21日付〉