冷凍「石臼挽き信州そば3食」発売、「提供価値」の見直し・強化・伝達が商品戦略の軸/テーブルマーク2021年春季新商品
テーブルマークは1月26日、オンラインで2021年春季新商品発表会を開いた。基幹商品群の「提供価値」を商品戦略の主軸に据え、家庭用冷食では冷凍玉麺、トレー入り具付き麺、たこ焼、米飯、おかずで新商品5品とリニューアル品6品をそろえた。
テーブルマークの栗山佳子マーケティング戦略部長は家庭用・業務用を通じた2021年春の商品戦略について、コロナ影響で新規に生じた顧客ニーズや、変化に苦慮している消費者ニーズに対して、テーブルマークの基幹商品がもつ「価値の提供・強化・伝達」を基軸に展開することを掲げた。
コロナ禍において生まれた新規利用者や新しい使い方においては、従来の商品も新商品としてとらえてもらえるとして、「提供価値」の見直し、強化、わかりやすく伝えることを中期的な戦略方針に据えた。家庭用冷食の当季開発コンセプトとしては
〈1〉「つくりたい」ニーズに対して「料理素材として玉麺の強化」
〈2〉「簡単に食べたい」ニーズへの一食完結・便利の追求
〈3〉食卓のおかずの拡大
――の3点を掲げた。新たに手に取ってもらうために、消費者キャンペーンも展開していく。
家庭用うどん市場は冷凍麺の構成比が上がり続けているが、2020年は冷凍が44%に対してチルドが48%。他の温度帯からのシフトで冷凍うどんの拡大余地は大きいと見込む。
2021年春、旗艦商品である「丹念仕込み本場さぬきうどん3食」はパッケージをリニューアルし、側面においしい食べ方レシピを掲載する。
冷凍そば市場も近年伸長している。冷凍そばの購入者は60代以上のシニアが多いことから本格志向の玉麺の新商品を発売する。「石臼挽き信州そば3食」は長野県製造で、石臼挽きのそば粉を5割使用している。豊かな風味とそばらしい歯切れの良さが特徴だ。
巣ごもり需要で市場拡大が加速した汁なし具付き麺は、通年売れるカテゴリーとなった。子をもつ共稼ぎ夫婦や単身の有職男性が最大の購入層となっている。
テーブルマークの「お皿がいらないシリーズ」はトレー入りで、調理は外袋に切れ目を入れてレンジに入れるだけ、食べた後に皿を洗う手間も省けるのが特徴。「お客様の『つくる・食べる・片づける』に向き合った」商品として品ぞろえを強化する。
既存の汁なし担々麺とジャージャー麺の中華メニューに加え、新商品として「お皿がいらないぶっかけ牛肉うどん」を発売する。
テーブルマーク「お皿がいらないぶっかけ牛肉うどん」
個食のたこ焼商品2品は、購入層に合わせてリニューアルする。「ごっつ旨い大粒たこ焼」は単身男性に向けて、5種のだし(かつお、こんぶ、いわし、むろあじ、さば)を使用することで、だし感を楽しむ大人向けの味わいに仕上げた。一方「とろ~りたこ焼」は子どものおやつにも適した商品設計を目指し、とろ~り感を追求して生地の国産山芋を増量した。
コロナ禍で伸長した冷凍米飯では、特に個食になる容量の商品が伸びているとして、食べ切りサイズの300gシリーズに新商品を追加する。「満足感のある1食の量目とおいしさを、袋のままレンジするだけ」というコンセプトだ。
新商品「えびピラフ」は袋を開けた瞬間のエビの香りと口に広がるバターのコクで2度おいしいというのが訴求ポイント。300g米飯シリーズは全5品の展開となる。
テーブルマーク「えびピラフ」
従業員が選ぶ「もっとみんなに知ってほしい!」商品の1位に選ばれた「あさりごはん」と「肉めし」はリニューアルする。パッケージにアレンジメニューを掲載して利用機会を促す。
食卓向けのおかずとして「上海風小籠包」を新発売する。2020年上期は食卓特化品の伸長率が高く、特に冷食のおかずの利用場面として、家族の食卓の追加のもう一品をして利用したいという意向が強いため、小籠包を発売する。
お弁当商品の新商品「黒胡椒チキン」も大人の弁当をイメージしており、おつまみにも最適。
発売20周年の「のりっこチキン」はたまり醤油を配合し、まろやかな風味を向上させた。お楽しみ要素であるハート型ののりは、確率を2倍(72個当たり1個)にした。
〈冷食日報2021年1月27日付〉