伊藤ハム「ふっくら蒸し焼きハンバーグ」など発売、家庭用調理品を冷凍に拡大/2021年春季・家庭用調理加工食品
コロナ禍の影響による食品の家庭内消費の増加・多様化や、廃棄ロス削減などにも対応する。29日、オンラインで2021年春の家庭用新商品発表会を開催した。発表会では、冷凍品として加熱調理品3SKU(ストック・キーピング・ユニット、最小管理単位)、未加熱品5SKUの計8SKUを紹介した。
加熱調理品は次の3SKU。「ふっくら蒸し焼きハンバーグ」(8個480g/500円、以下税別希望小売価格)は、電子レンジ調理可能な大袋タイプの冷凍ハンバーグ。国産鶏肉を使用し、過熱蒸気オーブンで蒸し焼きにすることで「ふっくらやわらか食感」に仕上げた。1個60g の8個入でお弁当・昼食・夕食などさまざまなシーンに使え、大袋タイプでストック需要に応える。
また、「幸せおうちごはん」シリーズとして、「若鶏もも 照り焼き」「若鶏もも にんにく味噌焼き」(各5個500g /1080円)は、「おうちごはん」増加に伴う冷凍食品の家庭内需要増加に応じ、ごはんが進む味付けのおかずの王道メニューを商品化。1個100gの個包装が5袋入った大袋で、冷凍庫で小分けにして保存もできる。調理方法は電子レンジ、または湯せんの簡単調理。
伊藤ハム「若鶏もも 照り焼き」
未加熱品は次の5SKU。「ポテちき ポテトとかぼちゃとチキンのサクサク焼き(マイルドカレー味、チーズ&ハーブ味)」(各300g/400円)は、チキンと野菜が入った簡単調理のキット品。解凍してフライパンで焼くだけで、サクサク食感のチキンメニューが楽しめる。野菜のポテト、かぼちゃはどちらも北海道産を使用。商品中の肉比率は50%以上あり、夕食のメーンとしても使える。
伊藤ハム「ポテちき ポテトとかぼちゃとチキンのサクサク焼き マイルドカレー味」
「牛バラ玉ねぎ炒め」「鶏もも玉ねぎ炒め」(各250g)は、トレー盛り&ラップ済みの冷凍キット。ワンポイントシールとラベルを貼付して売場に並べるだけで、店舗の人手不足にも貢献する。調理は油不要でフライパンで炒めてすぐ完成し、焦げ付きにくいタレで後片付けも楽にできる。冷凍のほか、フローズンチルドでの販売も想定する。
「自慢のあらびき鶏生だんご 鶏団子と餅巾着の甘辛煮」(2人前290g/398円)は冷凍のまま煮込むだけのミールキット。鶏生だんごが標準10粒150g 入りボリューム感もある。既存品で「鶏だんごのトマトソース煮込み」「鶏だんごと揚げナスの黒酢炒め煮」と合わせラインアップを拡大する。
〈コロナ禍の変化に対応、業務用の生産ライン・外食品質を活用〉
同社が家庭用で冷凍食品を投入する背景には、コロナ禍以降の食卓・買い物行動の変化などが挙げられる。食卓では、内食増加により調理回数が増えることで、食事の準備での負担が増加する一方、特に夕食シーンでは高品質・おかずおつまみ兼用などのニーズが高まっている。また、買い物頻度が減少傾向にある中で、まとめ買いで賞味期間の長い商品が求められるようになっている。
米田雅行常務取締役加工食品事業本部事業本部長はあいさつの中で、「前年春に食品需要が高まり、前年対比の売上対策で一部価格競争も想定される。一方、外出が減りお金を使わない中、単に安いだけではなく、品質が高いものへの需要が一定程度出てくると見込む。家庭内需要を掘り起こすために、使いやすさ、料理のしやすさ、健康、賞味期限の長さなど保存性を常温・冷凍も含めて考えていく」など話した。
また、商品説明をした春名公喜執行役員加工食品事業本部事業戦略統括部部長兼マーケティング部部長によれば、業務用の需要が落ちる中で、業務用の生産ラインを転用し、外食向けの品質を応用するという意図もあるという。
なお、売場は量販店畜産部門の冷凍売場がメーンだが、一部冷凍食品売場や、生協宅配での扱いも想定しているという。
〈冷食日報2021年2月1日付〉