ネット上のラーメン街「ラーメンJourney」オープン、店舗の味と食感を再現する冷凍麺を開発/イートアンドホールディングス
「ラーメンJourney」の開設を記念し、東京・東池袋で全ての冷凍ラーメンをイートインできるショールームをオープンした。6月28日、同所を取材し、サイト責任者の鳥生恒平氏に話を聞いた。
鳥生氏によれば、イートアンドホールディングスグループのラーメン業態「太陽のトマト麺」のECサイトを2020年7月にオープン。そのころから参加ラーメン店店主らとのコラボ企画に着手、約1年がかりで「ラーメンJourney」のオープンが実現したという。
ポイントの1つとして、家にいながらラーメン店で食べるのに劣らない味を実現するため、“湯切り無しでも美味しい冷凍麺”を使用していることを挙げる。「ラーメン通販サイトは以前からあったが、一般的には鍋を2つ用意し、冷凍した生麺とスープを別々に調理する。その際に課題となるのが『湯切り』だ。湯切りが甘いと味が濁り、薄まり、湯切りしすぎても良くなく、店舗の職人のようにブレのない味を再現するのが難しい。その課題を克服するため、各店の店主たちと共同でゆで済みの冷凍麺を開発し、スープの中で解凍するだけで、店舗と同等の味を楽しめるようにした」という(※店主との協議により、商品によっては冷凍した生麺で提供するものもある)。この冷凍特製麺は現在、ベースは1種類で細・中細・太・平の4種を提供。今後の共同開発で増える可能性がある。
もう1つ、ラーメン通販サイトの課題として送料の問題が挙げられる。「ラーメンJourney」では一部地域除き送料は一律1,050円で提供するが、どうしても商品代金以外のコストがかかってしまう。それを解決するため、今後は実店舗に冷凍ケースを置いた店頭販売も、同社ラーメン業態および賛同するオーナーの店舗50店ほどでの持ち帰り販売展開を計画する。鳥生氏によれば、先行する「太陽のトマト麺」の場合、錦糸町本店ではリピーターが付くなど売上が安定してきており、月200パック売れることもあるという。
一方で、市販冷食とはコンセプト、価格帯も異なるため、市販向けでの展開は想定していないそうだ。
現時点では、「ラーメンJourney」のコンセプトに共感した19店の初期メンバーが参加。ラーメン文化を愛する全国のラーメンファンに、ラーメン一杯に込められた様々な想いに出会う楽しさを提供したいという考えから、サイト名は「ラーメンJourney」とした。
また、味への好みはさまざまにある中で、各ラーメン店がなぜこのラーメンを作るのか、メニューができるまでの店主の想い・物語や、ラーメン鉢へのこだわりなど「いつか本にまとめたい位」(鳥生氏)というほど、各店のストーリーを1つひとつ充実させているという。
今後は、同社グループが持つ自社工場の強みも活かしながら、トッピングやサイドメニューの充実を進める。さらには、惜しまれながら閉店した「幻の銘店」のメニューをサイト内で復活させることも計画しているそうだ。
鳥生氏は「ラーメン業態は夜の売上構成比が高い店舗も多く、立地にもよるが、緊急事態宣言などで甚大な打撃を受けているところもある。この取り組みで業界の活性化を図るとともに、ラーメン文化の継承、そして新しいラーメン文化の創出を目指したい」という。
【ラーメンJourneyショールーム(※7月1日までの期間限定)】
住所:東京都豊島区東池袋1丁目23-5 新大同ビル1F
【オープン時の参加店舗(順不同)】
▽支那そばや 本店
▽ドゥエ イタリアン
▽本枯中華そば 魚雷
▽町田汁場しおらーめん 進化本店
▽中華そば 丸め
▽吉祥寺 武蔵家
▽麺処 井の庄本店
▽ギンカーオ
▽博多ラーメン 長浜や
▽麺匠 藩次郎
▽彩色ラーメン きんせい
▽中村商店 高槻本店
▽太陽のトマト麺 錦糸町本店
▽京都鶏ガラとんこつ よってこや
▽スパイスらぁ麺 喰JACK
▽門仲製麺所
▽魚介とんこつ肉そば 四代目ねかし
▽新潟進化系ラーメン 俺たち越後や
▽恵比寿 大龍軒(餃子・焼売)
▽旨辛麺かつくに(※7月中参加予定)
〈冷食日報2021年6月29日付〉