日本生協連2021年上期実績、前年割れも全体的に堅調冷食は伸長続く/日本生活協同組合連合会
同日、WEB上で開かれた会見で、二村睦子常務理事は「(冷食は)社会全体でも伸びた分類で、生協でも伸長した。在宅時間が増え、手軽にランチを取れるという需要などあった」と話した。
なお、9月単月の供給高は、2020年比で1.6%増、2019年比は11.5%増だった。
日本生活協同組合連合会・二村睦子常務理事
宅配事業の供給高は2020年同期比で0.8%減、2019年同時期比は16.9%増だった。在宅時間の増加による影響か、調理冷食(特に麺や米飯、畜産、総菜)を中心とした冷凍食品が好調に推移した。
店舗事業の供給高は、2020年同期比で3.7%減、2019年同期比は5%増だった。宅配事業と同様に4~5月は前年比の反動減があったものの、6月以降は堅調に推移している。商品では、すぐに食べられる総菜が引き続き好調だった。
日本生協連の上期総供給高は2,210億円(2020年比2.2%減、2019年比13.2%増)だった。緊急事態宣言によって需要が増加した2020年の反動により昨年を下回る事業が多くなったものの、2019年比では上回る推移を見せている。
コープ商品事業の供給高は、1,738億円(2020年比1.5%減、2019年比12.2%増)となった。冷凍食品(冷凍麺や冷凍米飯)や、飲料、加工食品(即席スープ)が好調だった。
NB商品を主とした日用雑貨の供給を行うキャロット事業は、188億円(2020年比10.2%減、2019年比14.6%増)だった。マスクを含む日用消耗品のほか、化粧品、園芸用品、カレンダーが好調だった。また、防災関連が台風シーズンと重なって復調となった。
その他、衣料品などの供給を行うカタログ事業供給高は265億円(2020年比1.8%減)、ギフト事業供給高は18億円(2020年比4.7%増)だった。
〈サスティナブル商品など取り組みも紹介〉
会見では、コープ商品事業トピックスも紹介した。
環境や社会に配慮した主原料を使った商品に共通ロゴを付けてシリーズ化した「コープサステナブル」シリーズは、10月末で84品を販売する。来春には約120品まで拡充を予定している。
冷凍食品は10月末までに3品を発売し、2022年春までに3品の追加を予定する。今後は冷凍野菜や果実の拡充を検討する。
また、水産資源について、2015年時点で約30%の魚類が過剰漁獲、約60%がこれ以上漁獲を増やせない状態にあるという。養殖の水産物は増加しており、食料資源として重要なものとなっている。今後、人口増加、健康志向などによる需要増により、水産資源の減少が加速する可能性もあるという。
日本生協連では、BAP認証のサーモンを使用した国内初のPB商品「CO・OP スモークサーモントラウト切り落とし」を発売した。BAP認証は、持続可能な養殖水産物認証で、北米市場を中心に普及している。同商品は、ふ化場や、飼料工場、養殖場、加工工場のすべてでBAP認証を取得している。今後は取り扱いの拡大を図る。
その他、プラスチック削減として「CO・OP 麦茶」の容器を再生プラスチック100%ペットボトルに切り替える。また、次にヒットしそうな39商品を「ネクストブレイクCO・OP商品」と位置づけ、10月1日に特設ページ上で紹介している。
〈冷食日報2021年10月27日付〉