丸山製麺 ラーメン自販機「ヌードルツアーズ」展開で着実に成長、無人店舗も出店/丸山晃司取締役インタビュー
自販機を直売所のような形で展開し、着実に支持を広げている。百貨店の催事も行うなど、さまざまな取り組みを見せ、2022年2月時点ではラーメン店20ブランドが参加し、自販機は約80カ所に設置したという。2月19には東京都大田区内で初の無人店舗も出店している。丸山晃司取締役は「当社の主要な施策の1つ」と力を込める。
丸山製麺・丸山晃司取締役
――冷凍食品の市場自体をどう捉えていますか。
冷凍食品自体はコロナ禍に大きく伸長しており、昔と比べて味も良くなっています。スーパーやコンビニの冷凍食品だけでなく、冷凍餃子などで無人販売も増えていて、今後も成長すると考えています。
――2021年から取り組みを開始し、着実に広がっていると聞きます。始めたきっかけをお聞かせください。
元々は企業だけを対象に事業を行っていました。新たな売上を作るための新規事業として、冷凍の商品を販売することを考えていましたが、企業向けの販売が順調だったため同意を得られませんでした。しかし、コロナ禍になってから飲食店向けの販売が減り、その分の売上を確保するためにまずはネット通販での販売を開始しました。ただ、送料などを考えると利益率はあまり良くなかったです。食品をネット通販で買う人はまだ少なく、ラーメンも少数でした。その後、話題となっていた冷凍自販機の「ど冷(ひ)えもん」を見て、それを使ったビジネスを思いつき、スタートしたのが「ヌードルツアーズ」です。22都道府県で展開しています。
――改めて、どのような取り組みですか。
ラーメン店や飲食店などの前に設置し、設置した方が置きたいと思う商品を自販機で販売しています。イメージとしては直売所のようなものです。スープは店舗で作ったもので、麺はうちのものを使用しています。
地方の場合、東京のラーメンを食べに行く機会はあまりなく、通販は割高に感じる方もいました。自販機ならば、その場所に行くだけで気軽に買えるため、そこをメリットだと感じてくださる方から支持されていると思います。都市部に住む人でも、店舗まで行くことや行列に並ぶのが面倒だと感じる方が購入されているのではないでしょうか。さまざまなニーズにも合致していたと感じます。
――人気のラーメン店はどれですか。
「バリ男」です。量に加えて中毒性の高い味も人気を集めています。
――宣伝はどのように行っているのですか。
SNS のツイッターを使っています。ある自販機で販売している商品を全種類コンプリートしたという方もいました。また、ネットで検索した際に上位に表示される対策も行っています。
――今後の取り組みは
新規の取り組みを積極的に行います。2月には都内の百貨店「松屋銀座」で催事を行いました。これは自販機というフックがあったから声をかけていただけたと思います。ただ、催事に出ることを目的化するのではなく色々な可能性を考えて取り組みを進めていきます。
冷凍食品自体は今後も伸びると感じています。こうしたラーメンは中食の一つの形として、新たな選択肢になるのではないでしょうか。安価なモノを作るのではなく、このラーメンの市場を作っていきたいと考えています。
〈冷食日報2022年3月10日付〉