冷凍冷蔵機器のフクシマガリレイ、新ブランド「ノブラック」立ち上げ、消費電力量は従来比最大20%減 環境負荷軽減目指す

フクシマガリレイ新ブランド「NOBRAC(ノブラック)」、同社の福島豪専務
フクシマガリレイは、低炭素社会の実現に向けた同社グループの機器やシステムを包括した新ブランド「NOBRAC(ノブラック)」を立ち上げると共に、新たなCO2冷媒トランスクリティカルブースターユニットを開発したと発表した。消費電力を従来比で最大20%削減でき、環境負荷の低減や電気量の削減につなげられる。

また、機器の24時間遠隔監視を標準化し、予防保全を前提とすることで設備を止めないようにする。主なターゲットは食品工場や冷凍冷蔵倉庫で、販売目標は2023年度に20台、24年度に50台を目指す。

新ブランド「NOBRAC」は、炭素を表す「CARBON(カーボン)」を逆に並べて読んでおり、CO2増加の世の中の流れを逆転させるという意味を込めた。また、環境問題を先送りにしない、環境破壊を将来に残さないという想いも込めている。

GWPは、温暖化係数のことで、そのガスが二酸化炭素の何倍の温室効果があるかを表している。フロン冷媒の「R-404A」のGWPは3,920と非常に高い一方で、CO2冷媒のGWPは1で、温暖化係数はフロン冷媒よりも非常に低い。同社は、2025年までに新製品や新規設備で使用している冷媒を、グリーン冷媒(低GWP冷媒、ノンフロン冷媒)へ転換し、温室効果ガスの低減と温暖化防止への貢献を目指している。

今回発表の新CO2冷媒を使ったトランスクリティカルブースターユニットは、冷却方式に乾式直膨式を採用した。長期的に使用できる冷媒かつ、これまでに実績のあるシンプルな冷却方式を取り入れ、これまでのフロン冷媒を使用した機器と同等に扱える冷媒にした。消費電力量は従来比で最大20%削減でき、環境負荷の低減にも貢献する。

圧縮機の運転制御をリアルタイムに自動で最適化できるようにしている。担当者によると「これまで個別制御だったCO2ユニットを状態に応じた運転制御を行えるようにしている」という。

また、機器の24時間遠隔監視を標準化し、自社拠点を活用したメンテナンス体制を充実させたほか、ガス漏れ対策を徹底した漏洩防止設計にしている。ユニット機種群の圧縮機を共通化し、メンテナンス部品点数を削減したほか、空冷と水冷を選べるようにした。部品の共通化と、ユニットモジュール化を図り、冷凍冷蔵倉庫用の冷凍機にも展開できるようにした。

フクシマガリレイは2050年にカーボンニュートラルを実現できるよう、さまざまなCO2排出削減に取り組んでいる。2021年10月にはグループサスティナブルビジョンを発表し、グループ全体で温室効果ガスからの脱却などを掲げ、2050年のカーボンニュートラルの実現には、顧客のCO2排出量の削減が重要としている。

また、2030年までの目標として「環境アクション2030」を策定し、2030年までに〈1〉グリーン冷媒への転換、〈2〉冷媒ガス漏洩防止、〈3〉環境性能の高い製品を開発・提供、〈4〉CO2排出量削減――の達成に向け、取り組んでいる。

〈冷食日報2022年6月9日付〉