日東ベスト2022年3月期売上高は497億円、今期はコロナ前を超える555億円を計画、惣菜・外食向けトンカツと病院・介護施設向け食品に注力
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冒頭、大沼一彦会長は「気候変動と原材料、原油・物流費の高騰で厳しさをひしひしと感じている。塚田莊一郎社長が就任3年目を迎え、いい采配をとって何とか我々が思ったどおりの数字をあげた」と現状を説明。
「今期がスタートしたが、こうした状況だからこそ一致団結して、各々の力を出して乗り越えようと塚田社長を筆頭に頑張っていく」と決意を示した。
2022年3月期の連結売上高は497億4,600万円(前年同期488億9,700万円)。営業利益は8億4,300万円で前年比13.5%増。経常利益は9億800万円で同0.2%減。当期純利益は6億700万円で同13.3%減となった。
事業部門別の売上高は以下のとおり。
冷凍食品部門は396億5,500万円(前年同期381億7,600万円)。内訳は、ハンバーグ類等ひき肉加工品11%増、畜肉フライ品3%減、袋入り畜肉調理品が5%増。その他畜肉調理品2%増、硬さ調整食や麺類等含む農水産調理品7%増、冷凍デザート1%増。主に、ひき肉加工品、袋入り畜肉調理品、農水産調理品が増加した。
特に伸長したひき肉加工品について、内田真帆子常務取締役は「巣ごもり需要を背景にC&C等での販売が好調だった。スーパーマーケットでも業務用商品コーナーが増えており、市販用でも好調だった」と説明した。
日配食品部門は75億1,800万円(前年同期74億4,400万円)。缶詰部門は25億7,200万円(同32億7,600万円)。
販売分野別では、学校給食が回復。病院・施設給食は堅調に推移し前年増。外食は感染拡大の緩和により2桁近く伸長したが、コロナ前ほどには戻っていない。惣菜は売り場での商品集約や提供先での内製化等により振るわず前年並みで着地した。
2023年度は、売上高11.6%増555億円、営業利益6.7%増9億円、経常利益10.1%増10億円、当期純利益7.0%増6億5,000万円を計画する。高度な品質の実現を重要課題として品質保証体制の強化、顧客ニーズを捉えた商品開発、販売力の強化、生産効率の向上及び市場環境への対応を進める。
売上増について、塚田社長は「コロナからの回復と価格改定によるものが大きい。去年よりも今年、今年よりも来年という思いもある」と説明した。コロナ前の19年3月期の実績は524億4,900万円だったことを受けて、「冷食でまずは、コロナ前を超えようと動いている。ベトナム等海外の販売も、その他事業も成長しておりコロナ前を超えたい」と意気込みを語った。
価格改定については「ユーザーの反応は厳しい。時間がかかっており、ずれ込んでいるのがほとんど」と状況を説明。「お客様からすれば単純には受け入れてもらえないのが当然だから、まずは価格を上げる。その上で、規格ダウンした同値の商品の取扱いを提案するか、あるいはメニュー売価が維持できない場合他の商品に切り替えてもらうか提案する等、あの手この手で提案を工夫している」と語った。
6月24日の定時株主総会及び取締役会で常務取締役営業本部長に就任した渡邉昭秀氏は、今期注力する商品について、「惣菜や外食向けにトンカツを導入していく。また病院・介護施設に向けては人手不足で加工品の使用度も上がっているので、引き続き、飲み込みやすさに配慮した『スムースグルメ』と、やわらかく噛みやすい食感の『ホスピタグルメ』という当社の柱の商品に注力する」と述べた。また「全国各支店とテレビ会議でつなぎ、販売戦略を練っている。好事例があればすぐに横展開して採用に結び付ける企画も実施している」と戦略を語った。
〈冷食日報2022年7月4日付〉