値上げ浸透、売場変化に対応させ各製品の価値向上/味の素冷食吉峯社長
味の素冷凍食品の吉峯英虎社長(=写真)は7日、新商品発表を前に今年の取り組みの視点を述べた。
「今年すべきことはまず値上げを浸透させること。また、ハイ&ローの売り方が変化してきたことに対応し、メーカーとして一つひとつの製品の価値を高め、売 場では今までとは違った陳列提案などを重視したい。消費者に分かりやすいパッケージの変更もある。これらを売場、流通の方々と進めていきたい。
一方で売場のEDLP化では、メーカーが冷食を『EDLP』、『EDLP』と言っていていいのか、という思いもある。『EDプロパープライス』、『EDリーズナブルプライス』ということではないか。売場を流通と一緒に活性化させていきたい」。
また、味の素冷凍食品の日比聡取締役専務執行役員マーケティング本部長(=写真、右)は「アイスデザート」の販促計画や海外事業の現況を次のように説明した。
「家庭用は全品セールからEDLPへの移行、生活者の買場の変化もあり、昨年あたりから市場の潮目変化が見られる。EDLPへの対応は製品の価値向上と同時に指名買いされるような販促施策の強化が必要。
業務用は昨年11~12月、外食に光が見えてきたが、業態や企業により格差がある。新製品『アイスデザート』の発売はユーザーの新たな顧客創造や客単価アップへの貢献を目的にしている。また、カクテル文化振興会評議員の岸久氏(第21回カクテル・コンベンションで世界一)が監修するドリンクメニュー集を制作中で、卸と協力して3万部を飲食店に届け、『アイスデザート』の普及に役立てたい。
海外事業は欧米のいくつかの案件は着実に 進めている。海外事業の売上高、利益は前倒しで達成させる。
タイ、中国の国内販売は、販売額はまだ小さいが順調に拡大している。一例として群馬の関東工場で生産しているデザート(コーヒーゼリー)をタイの日本食レストランチェーンで昨年夏から販売を開始したが順調だ。また、中国の連雲港ではこれまで日本向けデザートを生産してきたが、アレンジして現地の外食チェーンに販売、定番化するチェーンもある。日本の技術、品質を海外に広めていく一つとしてデザートは有力だ」