14年対比20年の冷凍米飯、60歳代以上の購入額30%増を予想/ニチレイフーズ篠原家庭用事業部長
ニチレイフーズは今春、家庭用冷凍食品新商品13品とリニューアル品26品を発売する。同社篠原利和執行役員家庭用事業部長は今回の商品の中の柱となる新「本格炒め炒飯」の開発背景と考え方を大要次のように説明している。
「02年~13年の『調理冷凍食品』への一世帯当たり年間支出金額は、年率平均約4%増と堅調に推移している。食料全体は02年の指数を100とすると13年は94と伸び悩んでいるが、『調理冷食』は151と10年間で1.5倍に伸長した。14年は消費増税の影響があり、踊り場だったが、それでも11月までの家計調査累計は3.1%増、食料全体を上回るペースで推移した。多少の鈍化はあるが、相対的に冷食の成長性は維持された。マーケット拡大を支える社会的背景は、①シニアや単身者世代の増加、②女性の社会進出にあり、冷食の価値が選択される潜在的な成長構造は変わっていない。変化する食の姿に対応した冷食の価値は進化しなければならず、この点から新商品の開発に臨んだ。
ニチレイフーズが『冷食マーケット拡大のために』取り組むコンセプトは3点。①『本格品質の追求』。冷凍だからおいしい、おいしさの更なる追求。②『夕食シーンへの挑戦』。最大ボリュームマーケットに向けた冷食の提案。③『パーソナルユース&シニアの開拓』。
昨年春は『本格焼おにぎり』の発売で、マーケットの拡大に成功した。調理冷食の中で『おにぎり類』カテゴリーは26.5%伸長と牽引し、これまでリードしてきた『パスタ類』は10.4%増に鈍化。『おにぎり類』の伸長がなければマーケットは前年割れした可能性が強い。家庭内の炊飯機会は減少し、代わって加工米飯が台頭している。2000年から13年の1人当たりの年間米消費量は12%減だが、加工米飯は33%増、中でも美味しさに価値を置く冷凍米飯に伸長のチャンスがある。
冷凍米飯の購入属性推移をみると、10年上期の100人当たりの購入金額は50~59歳が最も多かった。これを10年対比の14年上期の伸び率でみると、50~59歳が22.1%増、40~49歳22.2%増に対し、60歳以上は43.6%と、冷凍米飯はシニア層の購入が突出し増えている。これを20年予測でみると、14年対比で40~49歳は5.5%増、50~59歳16.3%増、60歳以上は30.9%増となり、100人当たりの購入額が40歳代を超える。冷凍米飯は社会変化に応える『未来食』として存在感が高まる。日本の高齢化の進展にしっかり応えるのが『未来食』の冷凍米飯。食に厳しい視点を持つ60歳代に認められる品質と利便性を兼ね備えるのが冷凍米飯だ。
こうした背景を踏まえ、01年に発売した現在年間3,000万パックを販売する初代『本格炒め炒飯』を今春、革新的な技術と素材で新『本格炒め炒飯』にリニューアルする。技術面の特徴は、中華鍋の形状が作る約250℃の“熱風空間”をラインで再現し、高温の『熱』と『風』が炒飯を美味しくする。新・本格炒め製法『三段階炒め』(特許製法)を採用。素材はこだわりの『国産一等米』を100%使用する」。