ニチレイ第3四半期は加工食品事業は家業とも伸長し6.9%増1,660億円、営業益4割増
ニチレイが3日、発表した15年3月期第3四半期連結業績は、売上高が前年比5.9%増4,138億2,800万円、営業利益が前年比5.3%増136億9,100万円、経常利益が前年比8.2%増135億4,700万円と、増収営業・経常増益で着地した。
通期業績予想は、売上高4.8%増5,357億円、経常利益10.1%増159億円は据え置きだが、少数株主利益が増加する見通しのため当期純利益のみ1.1%増90億円と5億円引き下げた。
売上高は、加工食品事業は調理冷凍食品の販売が好調に推移し107億円の増収、低温物流事業はTC事業の拡大や新設した物流センターの売上げが寄与したことなどにより72億円の増収となり、グループ全体では229億円の増収となった。
利益面では、営業利益は輸配送コスト上昇の影響などにより低温物流事業が4億円の減益となったものの、加工食品事業は12億円、畜産事業は3億円の増益となり、グループ全体では6億円の増益となった。純利益は投資有価証券売却益など特別利益が18億円減少したことなどにより6億円(8%)減益の78億円だった。
セグメント別では、加工食品事業は売上高が前年比6.9%増1,659億9,700万円、営業利益が前年比44.7%増39億4,800万円と増収大幅増益。
国内では中食需要が堅調に推移するなか、業務用を中心に調理冷凍食品の販売が拡大するとともに、海外子会社の売上げも寄与し増収。円安による原材料・仕入コスト上昇の影響があったものの、増収効果や生産性の改善・価格改定などのコスト吸収策が寄与し増益となった。また、船橋第二工場稼働や既存工場の生産ラインの整備を進め、生産能力の増強と効率化を推進した。
家庭用調理冷凍食品は、マーケット全体では消費増税後の需要回復に遅れが見られるものの、「本格焼おにぎり」・「本格炒め炒飯(塩)」などの米飯類や、「若鶏たれづけ唐揚げ」が好調に推移し増収。業務用調理冷凍食品は、業態別ニーズに合わせた主要カテゴリーの商品開発を強化したことなどにより、中食向けを中心にチキン加工品やコロッケ、春巻などの取扱いが拡大し増収。
農産加工品は、家庭用では枝豆やブロッコリー、業務用では、ほうれん草などの「そのまま使えるシリーズ」の販売が順調に推移し増収となった。
また、海外(14年1月~9月)は、北米冷凍食品市場におけるアジアンフーズの取扱いが伸長したことに加え、タイ子会社のEU向けチキン加工品の販売が好調に推移し大幅な増収となった。
低温物流事業は、売上高が前年比5.7%増1,349億3,600万円、営業利益が前年比6.0%減71億2,600万円と増収減益。冷蔵倉庫業界全体の入庫量は横ばいに推移するなか、物流ニーズが旺盛な大都市圏への設備投資を継続し取り込みに注力。TC(通過型センター)事業の取扱いが拡大したことや、前年度及び当年度に稼働した新設センター並びに海外事業の貢献により増収となったものの、車両調達コストや電力料金などのコスト上昇が響き減益となった。
他のセグメントでは、水産事業は売上高が前年比0.7%減551億1,700万円、営業利益が前年比20.7%減4億5,900万円と減収減益。 畜産事業は売上高が前年比9.2%増662億6,100万円、営業利益が前年比440.2%増3億9,700万円と増収増益となった。