久世、春の総合展示会 繁盛店に必須「メニューを磨く」

久世は10~11日、池袋サンシャインシティ文化会館(東京都豊島区)で春夏向け総合展示会を開いている。今回のテーマは「メニューを磨く」。昨秋までは「素材」をテーマに展開してきたが、今回はそこから一歩踏み込み、独自性や付加価値を高めるメニューに落とし込むところまでを提案していくという意味を込めた。2日間で4,300人の来場を見込む。

出展社201社、255小間で展開する。市川明夫商品部長は今回のテーマについて「素材へのこだわりから踏み込んで、メニューを作り込んでいかないと集客につながらない。“この店にしかない”価値あるメニュー作りの手伝いをしたい。一方で人手不足でオペレーションの簡素化も求められている。久世ブースはもちろん、出展メーカー各社も“磨き上げメニュー提案”として各社商品をメニューの形で提案するポスターを貼って紹介した」と説明している。

生鮮3品の提案は引き続き注力している。水産ブースでは子会社で築地の水産仲卸である旭水産を前面に出して提案した。近畿大学で人工ふ化した完全養殖マグロの提案など、旭水産の強みを生かした提案を行った。畜産ブースでは銘柄肉を中心に、農産ブースでは雑穀やマイクロリーフなどをそれぞれ提案した。

PBデザートの「ドルチェーゼ」では既存品のアレンジによる提案に注力。そのほかPB商品では「パテドカンパーニュ」などバルに特化したアイテムなどを紹介した。

メニュー提案は「ライブDeliキッチン」としてデリカテッセン形式で展開した。デリカ形式の利点として、仕込んでおけるため、人員の削減が見込める点、多数のメニューを展開できる点、イートインとテイクアウトの両方で売り上げることができる点–を挙げている。外食ユーザーに対して、伸長業態であるデリカのトレンドを紹介すると同時に、食品容器も提案してテイクアウトへの対応を支援する考えだ。

提案メニューはドリンク、朝食、ランチ、郷土食、デザート–の各テーマで展開した。郷土食としては北陸新幹線開通にちなんで、沿線各地の郷土食やそのアレンジメニューを紹介した。「治部煮風汁(金沢)」「里芋赤飯(福井)」「かぼちゃのいとこ煮羊羹(北陸全域)」「たくあん煮(富山・石川・福井)」「べっこう(富山)」「茶あらいあじの黒みりん焼き(金沢)」–など。

ハラル食材のブースも初めて設けた。調味料やレトルト食品、パンなどハラル認証商品とそれを使った簡単なメニューを提案した。