冷食協、新たな「環境自主行動計画」 2020年までにHCFC半減
日本冷凍食品協会は26日、冷食業界における地球環境問題への対応として、2030年を最終目標においた新たな自主行動計画を公表した。エネルギー消費量の削減目標として毎年、エネルギー消費原単位で前年比1%程度の削減を目指すほか、冷媒については自然冷媒の比率を大幅に引き上げ、生産中止が決まっているHCFCの使用率を20年までに半減し、30年までに全廃する。
同協会は環境対策として1999年に2010年を最終年次とする「環境に関する自主行動計画」(第一次)を策定して実施してきた。今回「環境に関する第二次自主行動計画」として業界内の環境対策を強化する。2013年を基準年次として最終年次を30年、中間目標年次を20年に設定している。
エネルギー消費の削減目標はいわゆる「省エネ法」(エネルギー使用合理化等に関する法律)に基づき「毎年、エネルギー消費原単位を前年比1%程度削減するよう努める」とした。これにより2013年比で20年までに6.8%程度、30年までに15.7%程度の削減を目指す。
冷食の生産においては品目や工場の設備、規模によってエネルギー使用条件が大きく異なることから、各工場の実情に合わせた取り組みによって、目標達成に努める考えだ。
取り組みの具体例として▽省エネ型冷媒機器への切り替え▽生産ライン別のエネルギー使用量の把握など「見える化」の推進▽コージェネレーションシステムの導入▽廃棄ロスの低減など生産工程での効率化▽LEDの活用など省エネの励行–を挙げている。
冷食製造業における使用冷媒は特定フロン(CFC)の使用はほぼなくなっているが、HCFC(R22)がいまだに7割以上を占める。もっともCO2やアンモニアなどの自然冷媒の比率も徐々にではあるが上昇している状況だ。
新計画では「2020年までに、自然冷媒の比率を大幅に引き上げ、HCFCの比率を50%程度に引き下げることとし、さらに30年までには全廃する」とした。そして自然冷媒への転換に必要な設備投資には「公的補助、税制優遇など各種助成措置が不可欠」と指摘している。
また関連して「フロン類の漏えい防止およびその回収に向けて積極的に対応する」としている。
廃棄物の再資源化と発生抑制についても明示した。もっとも2013年に再資源化率93.7%と、食品リサイクル法における目標値(85%)を大幅に上回っていることから、計画では「再資源化率の向上に努めるとともに、廃棄物の発生抑制に努める」とした。