国内事業で利益率改善図り、海外事業で売上成長を/ニチレイ大谷社長
ニチレイは12日、15年3月期連結決算を発表した(既報)。売上高は前期比6.7%増5,452億円、営業利益は加工食品事業の業績改善が進んだことから11.6%増176億円、経常利益は18.5%増171億円、当期純利益も9.0%増97億円と増収増益だった。
今期(16年3月期)は、売上高は新計上方法(販売促進費等を売上計上時に売上高から控除して計上する方法)になるため3.0%減5,290億円(14年度を補正すると1.7%増)、営業利益が6.2%増187億円、営業利益5.2%増180億円、当期純利益16.5%増113億円を計画する。
説明にあたった大谷邦夫社長は「15年度の新計上方法による加工食品事業売上げは5.1%増2,040億円、営業利益16.4%増65億円の計画。国内事業で利益率の改善を図り、海外事業は売上成長を目指す。リスク要因は大幅な円安による業界の苦戦だが、適宜対応を図っていく」と述べた。
ニチレイの2014度決算(15年3月期)によるニチレイフーズを主体とする14年度の冷凍食品売上げは、家庭用調理冷食が前期比4.6%増597億円、業務用調理冷食が5.9%増965億円、農産冷食など調理冷食以外4.3%増635億円(ニチレイフレッシュの製品など一部含む、うち農産冷食は2.1%増の197億円)、合計5.1%増2,197億円と順調に伸長した。
なお、国内連結会社の合算数値(新計上方法による売上高)は、家庭用調理冷食が4.0%増463億円、業務用調理冷食は6.3%増883億円、調理冷凍食品以外4.1%増610億円、合計5.0%増1,956億円。
ニチレイ加工食品の海外事業は、米国のイノバジアン・クイジーンのアジアンフーズの取り扱い伸長とタイのGFPTニチレイ(GFN)のEU向けチキン加工品の販売が好調。15年3月期の海外売上高は加工食品事業の1割を超える267億円(前期比22.5%増)になった。15年度は15.7%増309億円を計画。
イノバジアン・クイジーンは米国人の視点を活かした商品企画・提案力の強みにより、米国のアジアンフーズ市場でシェアを拡大し、14年度売上高は18%増91億円。15年度は大手量販店チェーンへの家庭用商品の拡販と単品別収益管理の徹底により売上高110億円、営業利益3億円(のれん償却額負担後)を見込んでい
る。家庭用が6割、業務用が4割の販売比率。
GFNは欧州向けチキン加工品の品質管理基準の高さ、商品の独自性や供給の安定性などが評価され、英国向けを中心に売上げが拡大。15年5月に第4加工ラインが稼働したことにより欧州向け加工品の販売をさらに拡大する。GFNの14年度売上げは25%増134億円、15年度は18%増158億円の計画。