日本アクセス3月期連結、戦略分野伸長し売上高4%増
日本アクセスが29日、発表した15年3月期連結業績は、売上高が前年比4.1%増1兆7,840億9,900万円と増収だったが、物流コスト増などが響き営業利益は14.9%減155億7,200万円、経常利益が15.8%減159億1,300万円と減益となった。同日、田中茂治社長(=写真)らが出席し、同社本社で記者会見が開催された。
田中社長は増収要因として戦略事業の順調な伸びを挙げた。分野別では市販用(一般小売)分野が3.9%増1兆2,024億円と伸長したが、戦略分野では中食が前年比7.0%増2,374億円、外食分野が14.9%増1,129億円、ロジスティクス事業が5.2%増1,587億円で、うちロジスティクス営業は10.2%増203億円とより伸長した。
カテゴリー別ではドライが0.4%増6,279億円、チルドが6.1%増6,270億円、フローズンが7.2%増3,629億円と、強みの低温商品が合計9,899億円に伸長。フローズンのうち市販用冷食は3.3%増1,126億円だったまた、商品売上全体のうち業務用・生鮮商品も7.7%増4,436億円と伸びた。
一方、利益面では、売上総利益率が前年比0.26ポイント悪化の6.43%となった一方、販管費率は改善はしたものの0.06ポイント改善の5.56%にとどまり、売上総利益率の悪化をカバーできなかったことで減益となった。田中社長によれば、物流関連コスト(※狭義の物流費ではなくセンターフィー、ロジ事業の物流原価など含む)が前年比6.5%(160億円)増の2,611億円と増加。売上高に対する比率も0.31ポイント悪化の14.05%となり、利益を50~55億円押し下げる要因になったという。「物流関連コストの増加をコントロールし、転嫁することができなかった」(田中社長)。
これにより、売上高経常利益率は0.89%(前年1.10%)に悪化。田中社長は「社長就任から初めて経常利益率が1%を割ってしまった。一番悔しいことだ。これまでロジスティクスを強みに成長してきたが、物流コスト増で強みが弱みとなり、一昨年ごろから成長とコストのバランスが崩れてしまった。成長するだけでなく、コストとのバランスを取りながら成長することが課題で、バランス是正に注力したい」など述べた。
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