【春季新商品の店頭カバー状況①】関西圏の導入数増加が顕著

本紙は4月下旬~5月上旬、首都圏25店舗と関西地区10店舗の主要スーパーを対象に、家庭用冷凍食品の春季新商品について店頭取り扱い状況(カバー率)を調査した。今春発売された家庭用冷食の新商品(リニューアル品を除く)17社合計158品目について調査している。その結果、今春の配荷率1位は同率で、味の素冷凍食品「汁もれしないお弁当の小鉢 牛すき焼き煮」と日本水産「わが家の麺自慢 焼きちゃんぽん」の2品となった。当季新商品の総配荷点数を見ると前年春並みだが、関西圏で配荷点数に顕著な伸びが見られる。一方商品カテゴリーとしては米飯の比重が強まった。これまで需要を牽引してきたパスタの値上げも影響していると見られる。

今春の新商品の店頭取り扱い状況を見ると、全158品のうち調査店舗に並んでいた商品は149品で全商品の94%の配荷を確認した。前年(91%)を上回り、量販店の導入意欲の高さが見て取れる。

総配荷点数は前年を10点下回る910点となった。内訳は首都圏25店舗が624点で前年比61点減、関西地区は286点で51点増。前春に大幅に伸びた首都圏は一昨年の水準に戻った一方、関西の伸びが目立つ結果となった。

2割以上の店舗をカバーした商品は58品で、前春(60品)並み。一方で6割以上をカバーする、定番級の商品はなかった。

配荷率上位21品が3割以上の店舗をカバーした(表1には11位までを掲載)。そのうちおかず類が10品。中でも弁当商品が7品と大半を占めた。麺類は4品(ラザニアはスナックに分類)、それに対して米飯が5品と麺類を上回った。

配荷率1位の味の素冷凍食品「汁もれしないお弁当の小鉢 牛すき焼き煮」は首都圏・関西とも5割以上の配荷が認められた。「汁もれしない-」シリーズはもう1品の「とろとろあんの枝豆れんこん包み揚げ」も5割近い配荷率を獲得した。

同率1位の日本水産「わが家の麺自慢 焼きちゃんぽん」は関西では7割の配荷率となった。同社の看板商品「ちゃんぽん」を、トレンドとなっている汁なしメニューに仕立てた。汁なし麺としては、マルハニチロの「台湾まぜそば」も同社のトップ商品として上位にランクインしている。

3位はニチレイフーズ「お弁当にGood!たまごサラダフライ」で5割以上の店舗をカバーした。首都圏のカバー率は4割強にとどまったが、関西で7割と高い配荷となっている。

4位は同社「若鶏の照焼き」。揚げ物ではない食卓おかずの需要をとらえた。首都圏では6割の店舗をカバーしてトップ配荷だった。

5位は味の素冷凍食品「汁もれしないお弁当の小鉢 とろとろあんの枝豆れんこん包み揚げ」とニチレイフーズ「四川風炒飯」、日清フーズ「マ・マー金のスペシャリテ きのことほうれん草」の3品が配荷率46%で並んだ。

「~枝豆れんこん包み揚げ」は関西の配荷率が高かったのに対して、「四川風炒飯」と「きのことほうれん草」は首都圏で5割を超える店舗をカバーした。