【業務用特集⑤】三菱食品、Msフレッシュデリカ活用、二次卸との取り組みも=嶋田嘉雄執行役員

–前期の実績について

sMデリカの市場が2.4%増、外食市場は100%を若干上回るほどと見る中、当社の売上高実績は得意先の好調や当社の提案がうまくいったこともあり、中食・外食を合わせた業務用合計で計7%増と市場を上回った。デリカは特に首都圏のsMが非常に好調で、2ケタを超える伸びとなった。また、外食はユーザー向けが2ケタ増、特にリクエは2割増に近い伸びを示した。一方、卸店向けは前年とほぼ横ばいだった。

–市場の状況について

デリカ市場はよく言われるように、女性の社会進出や単身世帯増といった社会的背景の変化の中で、時短、簡便性、経済性などさまざまな要因が合わさった上に、デリカ自体の味がおいしくなっていることもあり、伸長している。特に首都圏のsMはデリカに注力する企業が多く、デリカの構成比の高まりとともに、売上自体も伸びている。ちなみに、昨年の消費増税に際しても、メニュー変更で対応するなどもあってほとんど影響がなかった。

さらに近年はイートインを充実させる動きがあり、デリカを楽しく食べられるような演出も考えられていきている。こうなると外食と中食の垣根がほとんどなくなることになる。

そしてCVsのデリカでは、古くからのおでん、近年のコーヒーやドーナッツと、外食をターゲットにして市場を取る一方、さらに市場全体を広げるような動きとなっている。

一方、外食は、ファミリーレストラン等が客単価を上げ、“たまにはちょっとした贅沢を”求める生活者を取り込んでいる。一方、CVsと競合するファストフード(FF)や、若者の酒離れが言われている居酒屋業態が苦戦している。もちろん、居酒屋でもメニューの工夫をする個店では伸びているところがたくさんあり、優勝劣敗が色濃くなっている。

–御社の強みと取り組みについて

デリカでは、まず子会社のMsフレッシュデリカというメーカー機能を持ち、“ものづくり”に取り組んでいることが挙げられる。同社ではチルドのメンチやカツなどの揚げ物を製造しているが、味に対する得意先の評価が非常に高く、当社の武器の1つとなっている。さらに、同社では得意先の要望に合わせて、スペックをカスタマイズできる。現在、得意先のsMでは“このお店でしか買えない”独自のこだわりによる“名物商品”を作りたいというニーズがある。同社はたとえばメンチで言えば数百種類のレシピを持つなど、そのニーズに応えることができることが強みで、実際に成果を上げている。

また、近年バックヤードの人手不足の中で店内オペレーションの簡便化に対する得意先のニーズが高まっている。Msフレッシュデリカでは、さまざまなキット商材を製造しており、また、前述のチルド商材も、揚げ時間の短縮にもつながる点がお店に喜ばれている。このデリカへの取り組みは、首都圏だけではなく新工場や近畿圏など他地域への横展開も検討している。

外食向けでは、外食チェーン等ユーザーに向け、当社グループ挙げて取り組んでいる。外食専門の物流部隊を持ち、得意先ごとのシステムに合わせてカスタマイズした物流・システム体制を構築して取り組んでいる。

一方、中小規模の飲食店に向けては業務用食材宅配サービスであるリクエ事業で対応している。

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