分かりやすい2つの価値提案、「変わらない良さ」と「変わる良さ」/マルハニチロ伊藤社長
マルハニチロの伊藤滋社長は15日の新商品発表会で、今期の事業や新商品の考え方などについて語った。
「15年3月期の連結決算は売上高8,638億円(121億円増)、営業利益87億円(19億円減)。ユニット別には海外、畜産商事、戦略販売、物流の4ユニットは増収増益、中でも海外は大幅な増益。また、水産商事ユニットは増収減益。一方冷凍食品、加工食品ユニットは減収減益。原因は、冷食はアクリフーズ農薬混入事件の影響と円安などによる原材料価格上昇によるもの。加工食品は水産原料高騰による生産コスト上昇、缶詰売価引き上げによる売上数量減、デザートの販売不振などによるもの。今年度はこれらのユニットの収益を回復していくことが最大のポイントだ。
商品開発は、社会の変化を背景に多様化する生活者ニーズに応え、分かりやすい価値提案を行う。具体的にはロングセラー商品のもつ『変わらない良さ』と時代の変化に合わせて新しい価値を提案する『変わる良さ』の両方を提案する。
特に注目すべき新しい価値は『生涯健康』。日本は世界に類を見ない超高齢化社会だ。社会変化に伴い生活者の健康に対する意識が高まる。『生涯健康』は身体と心が年を重ねながらも健康であることを追求する価値だ。
当社グループは14年度からスタートした4ヵ年の中期経営計画「Challenge toward 2017」で掲げた信頼の回復と成長戦略の遂行を、全社一丸となり取り組んでいる。我々は誠実とともに本物、安心、健康な食の提供を通じて人々の豊かな暮らしと幸せに貢献するというグループ理念の実現を通じて、マルハニチログループに対する信頼を回復してきた。
国内の人口が減少する等厳しい環境が続くが、グループとして持続的成長の追求を基本方針とし、グローバル領域での事業拡大を含む成長戦略を遂行する。具体的には食品事業では『生涯健康計画』に基づく商品開発や今年度の新事業であるロングライフチルドのほか冷凍食品の新工場設立や水産と加工品の海外販売の拡大、漁業資源アクセス強化、黒まぐろ完全養殖などの事業強化に取り組む」