高い品質と生産性を誇る山形工場、ハムカツライン順調-日東ベスト
日東ベスト(大沼一彦社長)の山形工場は昨秋、新工場としてオープンした。本社・山形県寒河江市の隣市、山形市の立谷川西工業団地内にあり、桜並木や果樹が緑豊かに覆う約2万坪の敷地の中に建屋3棟が並ぶ。1番大きな第一工場(約4,000坪)では昨年10月にハンバーグ製造を開始した(既報)が、実は翌11月には第二工場(約2,600坪)でもハムカツ製造がスタートしている。
現在、ハンバーグの生産量は年間3,300tを計画し70品目を数える。一方、ハムカツの生産量は年間4,300tで約80品目を生産する。
林由久工場長は「ハンバーグ生産は月250~300t、一貫ラインにより品質も生産性も安定した。ハムカツは月に350~400tの生産で、3ラインのうち一部ラインでは夜の稼働も行う。例年、夏場は若干出荷が落ちるが秋からは忙しくなる。この工場ができたことで、原料のハムの製造工程、衣付けの工程が同じ建屋でできるようになり、品質的に高まり、味も更によくなった」と同工場開設の意味合いの大きさを強調した。一貫ラインで途中の移動がなくなり、高品質に寄与しているという。
安全性について、塚田荘一郎常務取締役生産本部長(=写真)は「平成15年3月に寒河江工場で認証取得して以来、全工場でISO9001の認証を取得してきた。山形工場は、HACCPシステムに準じた弊社独自の安全管理システムに則って安定した製品の生産に努めながら、今年10月にISO9001の認証取得を目指している」と抱負を述べた。
同工場の特徴には、①外気導入の空調設備の設置で室内を陽圧にコントロール②製造エリア外にトイレを設置し細菌やノロウイルス等の感染防止対策を強化③製造場内にはLED設置、廃熱利用、自然冷媒の凍結装置を導入し、環境にやさしい工場にしたなどがある。
従業員は、第一工場70人、第二工場80人、スタッフ10人の計160人体制。人材教育を徹底し、入社時のほか年2回の全員対象の衛生教育を実施。間違いない作業を行うため専門知識が必要な作業者には専門教育を義務付け、試験に合格した人だけが作業できる仕組みもある。原料受入れ、加熱CCP、金検CCP、水質検査、官能検査、目視検査など幅広い担当者がその対象となり、更に教育結果を個人別教育記録に残すなど徹底化している。