【新社長インタビュー】泉平・泉周作社長、創業119年企業を継承 地域内シェア高める
1896年に兵庫県・姫路で創業した泉平は、関西地盤の業務用食品卸である。5月19日付で泉周作氏は副社長から社長に昇格した。
「今年で創業119年を迎えた中での社長就任であり、歴史の重みを感じている。今まで企業として継続してきたことを引き続き継続する。それとともに、これからの市場で勝って行ける企業になるために経営に当たる」と抱負を語る。また、「当社を強くていい会社に、収益性を残しつつ、社内外から見ていい会社にしたい」と強調する。
同社の近況は、14年度(15年3月期)は売上高は前年比5%増加し120億円で着地した。
大きなトピックスは、「近畿物流センター」を昨年3月に竣工し、同6月からフル稼働したことだ。メディカル部門、神戸支店、大阪支店の3拠点の物流を同センターに統合して一元管理体制を敷いた。あわせて、営業サポーターとオペレーションも統合した。経営効率を向上させるとともに、顧客の幅広いニーズに応えるための最新物流システムとして自動配車、先進ピッキングも導入した。
「前期は物流センター立ち上げの影響で、営業利益は前年をやや下回った。今年はフルに効果が出てくる見込み」とし、今期の売上高は前年比0.8%増、営業利益50%増を計画する。
「KPI(重要業績評価指標)を強烈に推進している」とし、生産性の向上を図っている。KPIで庫内作業効率、受注入力効率、配送積載効率、受注ミスやピッキングミス、庫内ロス率、品質を数値化している。
「卸のコストの半分以上は物流費。差別化できる要素が少ない中で、物流を改善することが重要」とし、同センターでの事例を他の事業所に徐々に横展開していく構えだ。
今期の足元の状況は、第1四半期で売上高は前年比5%増加した。業態別では、注力している産業給食、学校給食、メディカルの全てが伸びている。エリア別では、主力の兵庫が伸長しけん引、福岡も2%増加した。大阪、岡山は前年並みで推移している。
当面の重点課題は「各エリアの中で地域シェアを上げて売上拡大し、オペレーションの効率と品質を高めることで、営業利益率を安定的に3%残せる企業にしたい」と強調する。
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