【高齢者食特集②~冷食】日本水産、「おいしいやわらか」新規導入進む 「笑み満菜」受託給食で採用
日本水産は介護施設・病院向け商品として、「おいしいやわらか」(UDF区分1、2)と「笑み満菜(えみまんさい)」(同区分3)の2シリーズを展開している。両者を合わせた今期売上目標は、前年比2倍の2億円。
新規取り扱い施設が増えるなど順調に配荷先が拡大している「おいしいやわらか」は、魚のすり身など既存の技術を応用し、開発したやわらか食。「いかつみれベース」(同2)「すりみ天(いかミンチ入り)」(同1)など8品で展開している。家庭用から業務用まで幅広い冷凍食品を手掛ける同社による食べやすさに配慮した冷凍食品で、既存のラインを活用できるため、製造に係るコストが抑えられる利点がある。そのまま食べてもおいしく、アレンジのしやすさもその特長。医療・介護・福祉施設に向けて、アレンジレシピを発信するなど、使い勝手の良さを訴求していく。生協宅配ルートを活用し、一部で在宅介護向けにも販売している。
一方、「笑み満菜」は広島県食品工業技術センターが持つ特許製法「凍結含浸法」を使用し、見た目そのままに舌でつぶせるやわらかさに仕上げた介護食。「かに風味シューマイ」「たまご焼ロール」「ハンバーグ」など5品で展開している。
「凍結含浸法」は食材を加熱、凍結、解凍、減圧、酵素反応、加熱、凍結の工程を経ることで彩り、見た目、栄養素を通常の食品と同程度に保つことができる。こうした工程を経て製造するため、「コスト面の割高さと、施設へ拡販を進めるに当たっての認知度の低さが課題」(同社)とした。
高齢者人口の拡大に伴いUDF区分3へのニーズの高まりは必定であることから、引き続きその利便性と優位性を訴求していくという。受託給食大手2社の取り扱いがスタートしており、さらなる拡販へとつなげていく。