極洋第2四半期、増収・大幅増益 冷食と鰹・鮪が大幅増収

極洋は6日、2016年3月期第2四半期決算を発表し同日記者会見を開いた。連結ベースで売上高は1,084億9,900万円で前年同期比5.9%増と伸長。冷食と鰹・鮪事業の増収が寄与した。営業利益は11億2,600万円と56.1%と大幅に改善。水産商事と冷食は苦戦したが、鰹・鮪事業の大幅な収益改善が寄与した。冷食事業は売上高が325億1,400万円で14.4%増と伸長。営業利益は4,500万円で81.4%減と低迷した。

連結経常利益は14億700万円で前年同期比105.0%増、四半期純利益は9億1,100万円で59.8%減となった。

セグメント別に水産商事事業は増収・減益となった。凍魚加工品や定塩サケ製品、伸ばしエビなどの付加価値製品の販売に注力した。高止まりのホッケなど北洋魚は減少したが、サケの市況改善により増収を確保。一方で円安による厳しい買い付け環境と加工コスト上昇による利益率の低下が響いた。

5月に開設したロサンゼルス営業所について、「カツオのたたきやチリ銀鮭など取り扱うが、品質の良い商品への潜在需要は高く期待している」として海外展開への意欲を示した。

冷凍食品事業は大幅増収・減益となった。

水産冷食部門の売上げは約30億円の伸びとなった。「だんどり上手」シリーズなど加熱用商品を医療食、事業所給食へ拡販、寿司生食用商材の回転寿司チェーンへの販売も順調に推移した。寿司生食用商材で約10億円の増収。「だんどり上手」の売上げも伸長し、前年の2倍以上となる13億円となった。

調理冷食部門は約10億円の増収となった。エビフリッターや白身フライ、カニ風味かまぼこを量販店向けに拡販した。

家庭用冷食は上期売上高3億4,000万円で推移した。首都圏を中心に有力量販店などへ販売店舗を拡大中で、関東甲信のほか大阪にも販売エリアを拡大して現在3,500~4,000店舗に配荷しているという。多田久樹社長は「通期10億円の目標は達成する見込みだ。利益は計画に届かない見込みだが、ここに来て売上げが伸びている」と述べ、「冷食市場にあまりなかった焼魚が、量販店に非常に興味を持ってもらっている。価格など課題もあるが、(12末に竣工予定の)新工場でも取り組む予定だ」と需要拡大に期待した。

冷食事業の利益面は原料価格の高止まりによる生産部門の不振が響いた。海外、特にタイ合弁のKUEが加工賃の上昇、欧米向け寿司・寿司種の低迷もあり苦戦した影響が大きい。特にエビについては、EU向け輸出品に対する一般特恵関税からタイが除外された影響も出ているとした。

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