三菱食品上期、売上高0.9%増も実質3.7%増と好調着地
三菱食品が4日、発表した16年3月期第2四半期連結業績は、売上高は前期比0.9%増1兆1,990億2,800万円、営業利益23.6%増72億4,900万円と増収増益だった(6日付既報)。6日、鈴木大一朗取締役常務執行役員職能担当役員・CFOらが出席し、都内で決算発表会が開かれた。
鈴木CFOによれば、売上高は110億円・0.9%増だったが、CVS向け弁当製造ベンダーとの取引形態変更(商流を同社子会社から外し、業務委託形式とした)の影響が約320億円あり、実質は3.7%の増収だった。sM等を中心に、取引が総じて堅調に推移したことが奏功した。利益面では、物流費が増加したが、売上総利益の増加等により増益となった。
品種別売上高は次表の通りで、「缶詰・調味料類」「麺・乾物類」「ビール類」は、消費増税後の反動減からの回復等により増加。「嗜好品・飲料類」は、CVSカウンターコーヒー類の好調、気温上昇による飲料類の伸長で増加。「冷凍食品類」は、時短・簡便ニーズの高まりで業務用冷凍商材が好調だったほか、CVSカウンター商材、アイスクリームの伸長で増加した。「チルド食品類」は8.8%減となっているが、前述の弁当ベンダーの取引形態変更の影響があり、実質はプラスとなった。「その他」はペットフード、もち類、レトルト米飯等で、特にペットフードが消費増税後の反動減からの回復で伸びた。
また、メーカー値上げについて「07年の値上げで苦労した際と比較して小売業様にも納得いただき、スムースに進捗したことも売上増に寄与した」(鈴木CFO)とした。
業態別売上高は次表の通りで、「sM」は消費増税後の反動減からの回復で増加。「CVs」は2.3%減だが、前述同様、弁当製造ベンダーとの取引形態変更の影響を除くと実質増。カウンター商材の好調や新規出店の増加が寄与した。「その他直販」は百貨店、ディスカウントストア(Ds)、EC事業者などで、Ds、ECとの取引増加で伸長した。
加工食品のケース単価は34円・1.58%増の2,185円と上昇。「しばらく下降トレンドにあったが、メーカー値上げ等もあり上昇トレンドとなった」(同)。
上期業績は当初予想を上回ったが、通期業績予想は売上高0.5%増2兆3,500万円、営業利益2.9%増157億円の当初予想を据え置いた。「当社の収益は、機能リベート等が入る12月、3月と下期偏重型であり、上期が良くても不透明感があるので据え置く」(同)という。