16年メーカー各社の方針③/テーブルマーク、「主食で他社がついてこられない高みへ」

<テーブルマーク副社長・川股篤博氏>

2015年度の業績(見込み)は売上高1,680億円(4.2%増)、調整後営業利益は25億円(78.6%増)。黒字化後3年連続の増益となる。トップラインの上昇で為替影響を吸収するかたちだ。そのうち冷食・常温の売上高は1,340億円(4.4%増)となる。

商品カテゴリー別に見ると、冷凍麺は堅調に推移した。家庭用は玉麺を中心に好調だ。08年以来となる小麦粉の配合から見直しを行った「さぬきうどん」が堅調、夏場の稲庭風うどんが好調に推移した。業務用は家庭用以上に伸長している。外食・中食とも好調だった。特に夏場のデリカ向け商品は、ほぐれやすさ、経時変化に強い麺への改良で新規取り扱いが増えた。

冷凍米飯は前年並み。和風メニューの提案に力を入れており、特徴のある米飯メーカーとして強いところを強めていきたい。春に期間限定商品として「和のごはん あさりと筍ごはん」を発売するなど、四季を通じて季節感・色合いのある商品を投入している。

焼成冷凍パンは業務用の取り扱いが増え、2ケタ増の伸長だ。インバウンド需要によりホテルの朝食・バイキングに使用する商品の取扱いが、人手不足や焼成設備のないチェーン・個店での取扱いも増加している。コーヒーショップやCVsで増加しているデザート風のパンも狙う。家庭用はまだ浸透していないが、あきらめずに需要を掘り起こしたい。

スナック類はお好み焼やたこ焼など主食に近く、大量に消費され、大量に需要があり、大量生産できる分野に力を入れている。15年度売上高は前年比微増。お好み焼は購入場所が従前のスーパーからCVsに変わる動きが顕著だ。業務用は売上げを大きく伸ばした。お好み焼は家庭用を中心に展開してきたが、業務用でも人手不足、設備の課題などを解消するため需要が増えている。

内部的な取り組みとしては、マーケティング&セールス本部を立ち上げた。営業と商品開発を統合し、全員がお客様視点で仕事をしていくことを目指したものだ。また設備投資としては老朽化対応のほか、生産能力の増強に取り組んでいる。加ト吉水産福島工場のたこ焼ラインなどだ。省人化の取り組みとして、包装工程をはじめとする機械化も進めている。

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