【冷食新年号】16年度冷食市場、成長は「1~3%」、、メーカー15年度値上げ効果で「増益」7割
昨年12月、冷凍食品メーカー32社から2015年度業績見込みと2016年度の計画、16年度の業界成長予想などを聞いた。
<2015年度の売上げ見込み>
売上げ伸長率を①「前年割れ」②「0~1%未満」③「1~3%台」④「4~6%台」⑤「7~9%台」⑥「10%以上」の6つに分類した。
結果は、「1~3%台」の堅調な伸びとみる企業は有効回答27社中7社(25・9%)、「4~6%台」の好調な伸長を見込むメーカーが6社(22・2%)。「10%以上」の大幅な伸長を見込む企業は3社(11・1%)、「7~9%台」は4社(14・8%)だった。一方で「前年割れ」は3社(11・1%)、「0~1%未満」の横ばいも4社(14・8%)だった。これを前年の回答と比べると、前年は「1~3%台」と「10%以上の伸長」とする回答が28・0%と最も多く、次いで「前年割れ」、「0~1%未満」、「4~6%台」がいずれも12・0%と並び、「7~9%台」が8・0%だった。
15年度の成長は、「10%以上の伸長」の絶好調組が減る一方で、「4~6%台」、「7~9%台」の好調組が増えたことが特徴。「1~3%台」の堅調な伸びが最多ゾーンであることは変わりない。また、二社に一社が「1~3%台」、「4~6%台」と回答しており、安定的な売上成長を遂げている。売上げ堅調の背景は、昨年春に多くのメーカーが実施した値上げ影響がある。また、家庭用冷凍食品は炒飯、おにぎりなど米飯類冷凍食品の販売が好調、パスタをはじめとする麺類が引き続き売場をリードしている。家庭の昼食や夕食に利用する機会も徐々に増えている。弁当需要は停滞した。一方、コンビニ需要も大きく増加し、買場の広がりが進んでいる。
業務用は量販店惣菜が好調だったが、給食需要も堅調で事業所給食、弁当給食ともに安定している。学校給食は大きな変化はないが、病院介護給食は引き続き順調に市場を拡大。また、コンビニのレジ周り商品の需要拡大も進んでいる。
また、家庭用売上げが停滞したメーカーの中には、売場のEDLP化やリーチインケースの売場の増加に対して適切な販促活動ができていない指摘もある。