次期から“成長への挑戦”がスタート=マルハニチロ伊藤社長

マルハニチロが13日に開催した春季新商品発表会で伊藤滋社長は次年度からの“成長への挑戦”に向かう意気込みを語った。今期第3四半期までの業績は順調に推移しており、次期への自信にも力を込めた。

発表会冒頭の伊藤社長の挨拶は次の通り。「2014年度からの4か年中期経営計画を実施している。最初の2か年を“再生と一丸への挑戦”に、続く2か年を“成長への挑戦”に位置付けてきた。最初の2か年についてはほぼ計画通り達成したことから、2016年度からはいよいよ成長への挑戦のスタートとなる。グローバルレベルでの変化に機敏に対応し、新しい芽を育てながら成長戦略を着実に実行していきたい。

2016年度を節目の年として新たな目標を掲げた。人それぞれの幸せを見つめ直し、食における豊かさの実現を目指すものだ。成長への挑戦を具体的に示すテーマとして“質の向上”を戦略の柱としたい。研究開発を強化し、消費者一人ひとりの豊かな食生活の実現に貢献していきたい。

グループの企業理念である“私たちは誠実を旨とし、本物・安心・健康な『食』の提供を通じて、人々の豊かなくらしとしあわせに貢献します”の意味を全社改めて認識し、成長への挑戦を着実に実行して2017年度の売上高9,000億円、営業利益200億円、経常利益190億円を必ず達成するべく全力をあげる」

今期の足元の状況については、冷食、缶詰が比較的順調な一方、デザート、ハムソー関係は苦戦しているものの、食品事業は計画通り第3四半期の着地となりそうだとした。水産事業も12月は好調に推移し、第3四半期も順調に推移したという。

年明けからの円高傾向や株価急落、原油安などの経済状況についてもコメントした。「(米国の金利引き上げで円安が予想されたが)想像と異なる、しかも大きな展開となっている」として、現在の在庫の一部では影響を受けるとしながらも、年間を通じた事業展開については次のように述べて、自信をのぞかせた。

「各セグメントともこの2年間、体質強化を図っている。特に(収益面で苦戦した)加工食品についても、今後2年間の方針を定め、しっかりと成長の2年に向けた準備が出来ている。来期は今期よりもかなり上積みした計画を立てるつもりだ。そして問題なく達成できると考えている」