日台冷凍農産品懇談会、残留農薬試験に係る新しい抽出法を紹介
台湾の冷凍農産品製造者団体である台湾区冷凍蔬果工業同業公会(台湾公会)と台湾貿易センターは5日、千葉市のホテルグリーンタワー幕張で「2016年日台冷凍農産品貿易懇談会」を開いた。講演会の中で残留農薬試験に係る台湾の新しい抽出法が紹介され、参加者の関心を集めた。台湾から政府関係者を含め約60人が参加、輸入冷凍野菜品質安全協議会(凍菜協)をはじめとする日本の輸入販売企業や流通関係者ら約90人を招いた。
会合は日台の冷凍農産物の生産と貿易に携わる関係者が一堂に会し、台湾凍菜の安定供給と品質向上、円滑な貿易体制の確立を目指した意見交換を目的としている。今回で25回目。台湾側からは台北駐日経済文化代表所(大使館にあたる)経済組の胡忠一副組長、台湾行政院農業委員会から農業薬物毒物試験所の費?綺所長、高雄市政府農業局から蔡復進局長ら政府関係者も参加した。
講演会では日本側から農薬工業会の加藤純安全広報部長が同団体の対外的な取り組みを紹介、台湾側から行政院農薬毒物試験所の費所長が台湾の農薬の登録制度や販売管理、検査室の設置体制などを説明した。
費所長の講演で特に関心を集めたのは、独自に開発した残留農薬のスピード検査方法だった。試験サンプルからの農薬抽出は通常、手順が8~10ステップと煩雑で抽出に数十分以上時間がかかるが、新しい手法によれば1ステップ、1分で抽出できるという。
310種類の農薬検査が可能であることが確認されており、これによって試験に要する時間は60%、費用は75%削減できるとする。台湾の各試験室に順次導入していきたい考え。台湾、中国、アメリカで特許取得済みで、海外にも技術を広めたいという。
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