日本水産決算、微減収・営業増益 水産の苦戦を食品がカバー

日本水産が16日発表した2016年3月期連結決算は売上高が6,371億6,400万円で前期比0.2%減、営業利益は194億4,200万円で7.4%増となった。水産事業の苦戦を食品事業の好調でカバーするかたちとなった。今期は売上高は横ばい、北米・アジアなどの苦戦で営業減益を見込む。

セグメント別に食品事業は売上高3,054億4,100万円で2.9%増、営業利益は106億3,700万円で40.1%増と伸長した。日本では価格改定やコストダウン策を進め、北米・欧州で売上げが伸長したことにより、好調に推移した。

食品事業のうち「加工事業」としては増収・増益。日本では円安影響で、原材料や加工製品の輸入コストが上昇したが、価格改定やコストダウンに努め、家庭用冷食・業務用冷食などの販売が好調に推移した。

北米では家庭用冷食会社で工場集約などの効果が見られたが、他社との厳しい販売競争により主力商品の伸びが不十分だったため減益となった。北米の業務用冷食会社は主原料のエビの価格が下がったことに加え、大手レストランチェーン向け販売が順調に推移し、家庭用の苦戦をカバーした。ヨーロッパは新たに生産ラインを増強、水産チルド品を中心に販売数量が増加した。

食品事業のうち「チルド事業」も増収・増益。日本でCVs向けチルド弁当やサラダの販売が伸長し、生産性も向上した。

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